BTS「釜山コン」から「メンバー兵役へ」 この1週間「韓国での関心ポイント」は何だった?
先週末の15日、大きな話題をふりまいて行われたBTS釜山コン。その後17日にはメンバーが順次兵役免除の解除を行う(兵役に応じる)ことが発表された。
「激動の1週間」にも見えたが、いったいご当地・韓国ではどんな点に関心が持たれたのか。
「BTS」「防弾少年団」「タニドゥル」の3つのキーワードを基に、ビッグデータサイトの資料を中心に調査してみた。
釜山コン翌日は「カラー」がキーワードに
本題に入る前に、15日の釜山コン直後に韓国のニュースで大きく取り上げられた話題について。
キーワードは「紫」だった。
国内最大のポータルサイト「NAVER」は、提携する全81メディアの媒体別デイリーアクセスランキングを掲載する。15日当日、BTSの釜山コン関連ニュースが1位となったのは3媒体。そのうちの一つが「TV朝鮮」だった。このニュースが1位となった。
とはいえ、じつのところ釜山コン当日・翌日の韓国メディアはこの話題一色、というところまでには至らなかった。なにせこの日、韓国の国民的アプリ「カカオトーク」の電波障害が起きた。スマホでの連絡からタクシーの配車、オンライン送金がストップするなど圧倒的に多くが関心を持つ話題となったのだ。
いっぽう翌日の「NAVER」では「BTSをエスコートした紫色のロボット犬」の存在を各媒体が取り上げた。釜山EXPO誘致運動に力を入れ、会場周辺にもブースを出した「HYUNDAI」が開発に力を入れる小型ロボットが注目を浴びたのだった。
「タニドゥル」に現れた韓国のBTSファンの熱い想い
続いて本題だ。
メディア報道以外を含む、全般的な関心はどうだったのか。
韓国には、自国語のインターネット環境での「言及量」の情報を提供する「SOME TREND」というサイトがある。いわゆるビッグデータサイトだ。ここでは「どんな関連キーワードで人々が噂をしているのか」が分かる。調査対象は全Webニュース、ブログ、Twitter、Instagramだ。
これについて10月15日から22日を対象に(つまりBTS釜山コンが終わって1週間)、冒頭で記した3つのキーワードで調査を実施した。
それぞれの結果はこうだった。
「BTS」
1 ジミン 289,852
2 ジョングク 235,322
3 run 209,823
4 pop 182,569
5 focus 136,236
6 釜山 111,193
7 タルバン 110,296
8 コンサート 98,411
9 バンタンの夜 88,825
10 テヒョン 87,253
11 防弾少年団 74,451
12 hd 71,828
13 姿 70,844
14 博覧会 60,479
15 ライブ 51,686
15日の釜山コンよりも、13に誕生日を迎えたメンバー「ジミン」の方が上回った。
また、4位の「フォーカス」、12位の「HD」はTwitter上での釜山コンの写真や動画がいかによい角度や画質でアップされているのかを紹介する内容。ファンの「その日の記憶をしっかり刻みたい」という思いが見える。
「防弾少年団」
1 兵役 129,518
2 活動 129,076
3 計画 128,898
4 案内 127,081
5 bts 65,393
6 ジョングク 39,676
7 ジミン 30,860
8 チッコム(直カメ) 25,865
9 focus 25,335
10 ARMY 23,744
11 シングル 15,507
12 JIN 15,459
13 釜山 15,166
14 アルバム 14,902
15 run 14,692
いっぽう、こちらでは17日に兵役期間延長解除を発表したメンバーの話題がトップとなった。2位、3位も関連の話題とみられる。韓国ではメディア報道でよく「防弾少年団」の名称も併記される影響からだろう。この「防弾少年団」のキーワードでは、ファンのSNS上でのつぶやきより、メディア報道での言及が多かった、という証でもある。
4位の「案内」には2つの文脈がある。15日の現場のライブ中継の遅延や、開催地の釜山市での諸般の「案内」に関する内容。そして17日に発表となったメンバーの兵役期間延長解除に関して、所属事務所側が出した「案内文」。これらが上位に入った。
「タニドゥル」
1 ARMY 3,619
2 投票 1,813
3 bts 1,497
4 歌 995
5 アイドル 893
6 オタ活 747
7 ストリーミング 736
8 pop 674
9 映像615
10 力 604
11 公演 593
12 リプに続く 562
13 ジョングク 549
14 テヒョン 540
15 チョルギュイテン 468
言わずもがなだが、「タニドゥル」ついて一応説明を。強いて日本語訳をするなら「弾ちゃんたち」。防弾少年団の「弾(タン)」から来ている(※)。韓国のファンがBTSを呼ぶ時、よく使う言葉だという。
分母は決して多くないものの、これこそが「コアファンの視線」か。
6位の「オタ活(덕질)」は、17日のメンバーの兵役期間延長解除を受けての、あるファンが思いを綴るTwitterでのつぶやきが基となっている。意訳するとこういう内容になる。
他のグループに移ることは難しい。なぜなら自分を含むARMYの大多数は、もともとアイドルオタクだったわけではない。BTSだからこそ、オタ活を始めたのだ。
これに共感や別の意見などが多く寄せられるなど「バズった」結果だった。
また、15位の「チョルギュイテン」は「めちゃくちゃかわいい」の意味。これは下記のツイートがバズったものだ。
確かに上位には「釜山コン」「軍隊行き」関連のキーワードが入った。しかしそれだけには染まらず、日常的な「メンバーの誕生日」や「ファンとしての思い」「メンバーのかわいい姿」
関連のものも上位に入るという調査結果となった。
(了)
※いちばん重要な語源は「防弾少年団=バンタンソニョンダン」の「タン(탄)=弾=TAN」。この最後の「N」の子音に対し「I」の母音をくっつけて「TANI」と発音する。すると親しい関係での呼び名となる。年上から年下に対してこれを呼ぶと、時に「~ちゃん」というニュアンスにも。