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ノルウェー皇太子も在宅勤務 清掃員にビデオ通話で感謝したかった

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
Photo:Ove R Haraldsen, Kongsberg Gruppen

新型コロナウイルスの影響で、自宅で仕事をする人が増えている。ノルウェーのホーコン皇太子は、外出して公務がしにくくなった代わりに、ビデオ通話で国民と交流をし始めた。

3月31日、皇太子は全国各地にいる3人の清掃員とビデオ通話。清掃員が掃除をしてくれるお陰で、病院などの施設は今も機能し続けることができる。

現場に行きにくい状況なので、ノートパソコンで市民と会話し始めた皇太子。写真は王室より提供 Photo: Remi Hjellvoll, Det kongelige hoff
現場に行きにくい状況なので、ノートパソコンで市民と会話し始めた皇太子。写真は王室より提供 Photo: Remi Hjellvoll, Det kongelige hoff

「あなた方が病院、スーパーなどでしている清掃は、とても重要な仕事です。いつだって清掃員の仕事は重要でしたが、ウイルスが社会で広がっている今は特にそうです」と皇太子は伝えた。

皇太子と話せたことは名誉だと、感動する清掃員の姿は、現地メディアでも大きく報道される(公共局NRK)。

新型コロナ拡大にあたり、ノルウェー政府は「社会機能の維持に必要不可欠な職種」を発表。

アーセンさんは医療用具の洗浄をしている Photo: Ove Ronny Haraldsen, Kongsberg Gruppen
アーセンさんは医療用具の洗浄をしている Photo: Ove Ronny Haraldsen, Kongsberg Gruppen

医療従事者、軍隊、交通機関やメディア関係者などのほかに、「社会にとって重要な職場を清潔に保つ清掃員」もこのリストに入っている。

ノルウェー政府の指示により、現在は幼稚園や保育園、学校は4月中旬まで休園となっているが、リスト該当者の保護者の子どもだけは、特別に通園が可能だ。

現地では多くの国民が自宅で仕事をしており、インスタグラムでは「#お家オフィス」というハッシュタグが付いた投稿が増えている。

ホーコン皇太子は、この時期に社会でがんばる人たちをビデオ通話で応援中。困難を抱える子どもの世話をする施設や団体、スーパーの店員にも電話をしている。

自粛期間が続く中、社会が止まらないようにと、毎日働く人々に感謝をしようという動きはこれだけではない。

医療従事者へ感謝の拍手をする運動、医療従事者が「ありがとう」と拍手し返す動画など、互いを思いやろうという意識は、この時期はより強くなっているようだ。

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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