ノート(87) 全面否認のまま元特捜部長らを起訴 個性豊かで不思議な隣人たち
~回顧編(12)
勾留30日目
最後まで全面否認
昼食時に流された朝のNHKニュースで、大坪さんや佐賀さんに対する刑事処分の見込みが報じられた。彼らに対する勾留の満期日だったからだ。最高検は2人を全面否認のまま起訴する方針だという。
上申書の作成や改訂のくだりも報じられていたが、大坪さんらの悪質性が実際よりも強調されており、かなり話を盛ってリークされたものと思われた。想定内ではあったが、相も変わらず検察の内部情報が実際の処分前に外部にダダ漏れになっているわけで、あきれるほかなかった。
他方、最高検は、年内をめどに厚労省事件の捜査や公判に対する検証を終え、その結果を公表するほか、僕が過去に関与した30ほどの事件についても、同僚検事らに話を聞き、検証を進めていくとのことだった。
主任として捜査をとりまとめた事件だけなのか、それとも応援に入った事件も含むのか、また、過去何年分まで遡るのか、報道からはうかがい知れなかったし、検察改革に向けてどれだけの意味があるのかも疑問だった。
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