ノート(86) 節目を迎えた最高検の捜査 最後の取調べと別れ際の大切さ
~回顧編(11)
勾留29日目
最後の取調べ
この日は、午前10時ころから約1時間ほど中村孝検事の取調べが行われた。翌10月21日が大坪さんや佐賀さんの勾留20日目であり、最高検もその満期日に彼らを起訴し、一連の捜査を終える予定だったので、前日であるこの日が最後の取調べになる、との話だった。
といっても、大坪さんらの関与状況などを改めて聴き取るようなことはなかった。これまでの取調べで語り尽くし、何通もの供述調書ができあがっていた上、彼らは容疑を単純に否認するのみで、裏付けを要するような具体的な主張など何もしていなかったからだ。
むしろ、今後行われる裁判の進行予定などが話題の中心だった。というのも、この日、僕の弁護人が大阪の検察庁舎に行き、裁判の段取りなどをめぐって捜査主任の長谷川充弘検事と打合せをすることになっていたからだ。
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