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WBCライト級空位王座決定戦

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 空位となっているWBCライト級王座の決定戦が、シャクール・スティーブンソンとエドウィン・デ・ロス・サントスの間で行われるようだ。11月16日にラスベガスで開催される内容で、両者が合意したと関係者がESPNに語った。

写真:ロイター/アフロ

 20戦全勝10KOのスティーブンソンと、16勝(14KO)1敗のドミニカン、エドウィン・デ・ロス・サントスは共にサウスポー。スティーブンソンが、今年4月にライト級転向第1戦として吉野修一郎とグローブを交えた姿は記憶に新しい。

(写真:ロイター/アフロ)
(写真:ロイター/アフロ)

 リオ五輪の銀メダリストである26歳のスティーブンソンは、エリートではあるが、体重超過でWBC/WBOスーパーフェザー級王座を剥奪された過去がある。近い将来、ボクシング界のスターになる可能性が大いにあると唱える声もあるが、自分に強い男か否かは、まだ分からない。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 一方、サントドミンゴ出身の23歳、デ・ロス・サントスは、昨年9月にホセ・バレンズエラを3ラウンドKOで下してWBCコンチネンタル・アメリカのベルトを獲得。今年の7月には、ジョセフ・アドルノに3-0の判定で勝利した。彼の唯一の敗北は、2022年1月の8回戦、ウィリアム・フォスターとのファイトで、スプリット・ディシジョンだった。

 その敗北を肥しにした強いメンタルが売りだ。現在WBC同級6位。

Stephanie Trapp/TGB Promotions
Stephanie Trapp/TGB Promotions

 このWBCライト級タイトルは、デビン・ヘイニーが同スーパーライト級王者であるレジス・プログレスへの挑戦を決めたため、ヘイニーを「休養王者」とした経緯がある。

 ヘイニーは階級を上げるにもかかわらず、保持するタイトル全てをそのまま手元に置いておくことを要求した。何とも不可解な動きだ。

 ただ、シャクール・スティーブンソンとエドウィン・デ・ロス・サントスの激突は、楽しみである。ベルトを巻くのはどちらか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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