大物FAに振り向いてもらうため、トレードで義兄を獲得したってホント!?
シカゴ・ホワイトソックスが、クリーブランド・インディアンズからヨンダー・アロンゾを獲得した。このトレードについては、大物FAと契約するための布石ではないかとの声が上がっている。ラリー・ブラウン・スポーツのラリー・ブラウンは、まさにそのまま、「ホワイトソックスはマニー・マチャドにアピールするため、ヨンダー・アロンゾを獲得したのか?」と題した記事を発表した。マチャドの妻は、アロンゾの妹だ。マチャドからすると、アロンゾは義兄となる。
ホワイトソックスでは、アロンゾのポジションである一塁に、ホゼ・アブレイユがいる。DHの座を分け合った2人のうち、マット・デビッドソンはノンテンダーとされてFAになったが、ダニエル・パルカはメジャーリーグ1年目を終えたばかりだ。
アロンゾを含めた4人とも、2018年のホームランは20本以上30本未満だった。デビッドソンとアロンゾの成績はほとんど変わらず、年齢はアロンゾが4つ上の31歳だ。また、来シーズン、アロンゾの年俸は800万ドル。デビッドソンをノンテンダーにせず、そのまま保有していた場合、年俸はアロンゾの10分の1にも届かなかっただろう。
ここまでのところ、デビッドソンからアロンゾに乗り換える必然性は感じられない。マチャドとのつながりこそが、アロンゾを獲得した理由にも思える。
ただ、そうとばかりも言えない。アブレイユもその一人だが、ホワイトソックスは以前からキューバ出身の選手を数多く入団させている。アロンゾも9歳の時に、家族でキューバからアメリカへやってきた。MLB.comのスコット・マーキンによると、アロンゾがマイアミ大にいた当時も、昨オフにFAとなった際も、ホワイトソックスは目をつけていたという。2008年のドラフトで、アロンゾはシンシナティ・レッズから全体7位指名を受けた。ホワイトソックスが持っていた指名権は、すぐ後ろの全体8位だった。
また、これは憶測になるが、デビッドソンが二刀流選手をめざす意志を示したことが、一連の動きを呼んだ可能性もある。こちらは、スポーツ・ラジオ局670ザ・スコアのブルース・レバインが、10月にデビッドソンのコメントを紹介している。デビッドソンは2018年に3試合で投げ、いずれも1イニングを無失点で終えたが、登板したのは高校生の時以来だ。本気で二刀流に挑戦するとなれば、来シーズンはマイナーリーグで過ごすことになりかねない。
来シーズンのホワイトソックスは、パルカがレフトを守り、一塁とDHはアロンゾとアブレイユが占めることになりそうだ。30代の2人とも、フルタイムの一塁手ではなくDHとしても出場すれば、守備につく機会が少なくなる分、故障のリスクは軽減される。
従って、マチャドとの契約につながらなくても、アロンゾの獲得は無駄にはならない。もちろん、マチャドが入団すれば、ホワイトソックスとしては喜ばしいことだ。マーキンらによると、アロンゾは早速、「僕らはマイアミで2ブロックしか離れていないところに住んでいる。(シカゴの)サウス・サイドでも近所になれたら、とてもうれしい」とマチャドにラブ・コールを送ったという。
もし、マチャドが義兄のいるホワイトソックスを選べば――しかも、他球団のより高額な申し出を袖にして――「将を射んと欲すれば」ということで、同じ手を用いる球団が出てきてもおかしくない。来シーズン終了後にFAになるゲリット・コール(ヒューストン・アストロズ)は、争奪戦が必至だ。コールは、ブランドン・クロフォード(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の妹と結婚している。