宇宙植民地「スペースコロニー構想」数万人が宇宙に暮らす巨大建造物とは?
宇宙世紀2024年。人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀。というのは未来の話で、人間で宇宙に滞在しているのは国際宇宙ステーションの宇宙飛行士くらいですよね。しかし、なんと人類を宇宙空間に移住させる「スペースコロニー」が現実に計画され始めています。
本記事では、スペースコロニー構想についてご紹介していきます。
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■宇宙植民地「スペースコロニー」
スペースコロニーとはその名の通り、宇宙空間に建設された大規模な居住モジュールのことです。将来的に地球上の人口は爆発し、資源は枯渇することが予想されます。スペースコロニーはそれらを避け、人類の永久的な繁栄のために考案された構想です。
しかし、人類は常に無重力空間で生きていくことはできるのでしょうか?ご安心ください、スペースコロニーにも重力は存在しています。例えば直径6kmの筒が1分50秒で一回転した場合、遠心力が加わり筒の壁付近では地球上で感じる1Gの重力と等価な力が発生するのです。
スペースコロニー構想は、1969年にプリンストン大学のジェラルド・オニール博士のゼミの中で生まれたアイデアと言われています。スペースコロニーの話が出てくるゼミって一体どんな集団なのでしょうか。そして、1974年にニューヨークタイムズがこのアイデアを掲載したことで一般に知られるようになったそうです。
■シリンダー型コロニー
スペースコロニーは色々な種類が提案されています。まずはシリンダー型です。
直径6.4km、長さ32kmのコロニーはその名の通り円筒型の形をしていて、人類が居住する領域と、宇宙空間が見える巨大な窓の領域で大別されています。窓の領域からは太陽光を取り込むことで、昼夜の移り変わりや季節を再現するのです。円筒が回転することで外壁には遠心力が加わり1Gを発生させますが、円筒の中央付近では無重力となります。
■トーラス型コロニー
続いては、トーラス型です。トーラスとはドーナツのような形を意味しており、直径1.6kmの巨大な環が回転することで遠心力を発生させます。中央にはステーションが設置されており、人々はここを発着点として宇宙とコロニーを行き来します。トーラスとステーションは複数個所でスポークによって繋がれており、通路としての役割を果たします。
■ベルナール球
続いてはベルナール球です。直径16kmの球の中に数万人が居住しており、この球が回転することで重力を発生させます。ベルナール球の外側には巨大な鏡が設置されており、外部から差し込んだ太陽光を反射し、ベルナール球の極に設置された窓から吸収します。
■小惑星型コロニー
最後は小惑星型です。その名の通り、小惑星をそのままコロニーにしてしまおうというアイデアです。この場合、建築に必要な大量の資材を削減することができ、ロケットでの打ち上げコストを格段に下げることができます。
ちなみに、JAXAが2026年に打ち上げ予定の火星衛星探査計画「MMX」では、火星衛星のフォボスを探査しますが、将来的にはフォボスを火星探査のための有人基地にするという狙いもあるそうです。
皆さんはどのスペースコロニーに居住してみたいですか?
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