あずきではなくささげ豆。自家栽培の蓬餅も自慢の「ささげ餅」は、どこか懐かしい癒しの味
昭和41年、神通川をはじめとする豊かな自然に囲まれた富山市呉羽町に誕生した「銀心菓創 くれは製菓」さん。
銀心菓創という言葉には、『磨けば磨くほど輝きを増し、少しでも手を抜くとその輝きは消えてしまう。日々腕を磨き、銀のように絶え間なく輝くお菓子を作りたい(公式サイトより)』という確固たる信念が込められています。
そんなくれは製菓さんでは、富山県産の素材に拘った美味しい和洋菓子が販売されております。今回は、糯米の王様とも呼ばれる力強い粘り気と滑らかさが特徴の、富山県産新大正糯米と、自家菜園にて栽培された蓬をふんだんに使用した和菓子「ささげ餅」をご紹介。
ささぎ餅、とも呼ばれることがあるそうですね。
しゃきしゃきっとした耳当たりの心地よい皮目の音と、初めて口にする方でもどこかノスタルジーを感じる温かな甘味のささげ豆。ほくほくとした豆らしい味わいも食感も損なわれていないのに、えぐみなどは一切ありません。
ささげ豆の特徴として、煮崩れしにくく、ふっくらと張りのある形を保ちやすいということから、関東や東北地方ではお赤飯にも使用されることもあるようです。また、色味も小豆よりやや黒っぽく、臍とよばれる発芽するところが黒く縁取られているという違いがあります。
蓬の鮮やかな緑色がよく映えるお餅は非常に力強く、どっしりとした重厚感と噛み応え。ささげ豆と蓬餅、どちらも噛めば噛むほど旨味から甘味へと変化していくような均衡が保たれており、ずっと咀嚼していても飲み込むのがもったいなくなるような気も。仄かな塩気がうまく作用し、定番だけれども飽きない味わいが長年愛されている郷土菓子の秘訣なのかもしれません。
画像では竹フォークを使用していますが、このまままるごとがぶりと召し上がるのが、一番美味しい食べ方なのではないでしょうか。おやつとしても、主食のかわりとしても、日常の傍らにいてほしいような和菓子でした。
こちらは現地のお店だけではなく、都内では日本橋とやま館でも購入することが可能となっております。アットホームな味わいが恋しくなったときは、ぜひ一度ご賞味なさってはいかがでしょうか。