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最も近い恒星系「アルファケンタウリ」に行くのはどれほど難しいのか?

どうも!宇宙ヤバイch中の人のキャベチです。

今回は「αケンタウリに行くのがどれほど難しいのか」というテーマで解説していきます。

●αケンタウリに行くのがどれほど難しいのか

地球から太陽系内の様々な天体を望遠鏡で観測可能ですが、実際に探査機を送ることで桁違いに膨大な天体の情報を得ることができます。

実際木星探査機ジュノー、土星探査機カッシーニ、冥王星探査機ニューホライズンズなどは目覚ましい成果を挙げました。

同様にαケンタウリの現地探査を行うことができるならそれに越したことはありませんが、太陽系天体とは比にならない桁違いの遠さ故、異次元の難易度となっています。

有人探査はさらに難しいので、以下は無人探査機を送る場合の考察となります。

○改めてどれくらい遠い?

4.3光年はkmに換算すると約40兆kmで、天文単位に換算すると約27万天文単位です。

ニューホライズンズが探査を行った冥王星ですら、太陽や地球から40天文単位しか離れていないため、αケンタウリはその約7000倍も遠いことになります。

人類が最も遠くまで飛ばした人工物はボイジャー1号で、現在も毎秒17kmという凄まじい速度で太陽から離れています。

現在地は太陽や地球から約165天文単位彼方にあり、すでに太陽風が届く領域である「太陽圏」と星間空間との境界「ヘリオポーズ」を超えています。

しかしボイジャー1号ですら、太陽の重力が優位な領域「太陽系」の果てにある「オールトの雲」を抜けるのでさえ約2万年かかり、αケンタウリと同等の距離まで到達するには約74000年かかる計算です。

人類の寿命スケールでの到達を目指す場合、次世代の推進システムが必要不可欠と言えます。

αケンタウリまでの距離「4.3光年」は、光速で4.3年かかる距離です。

よって光速で伝わる電磁波で地球と通信すると、年単位の大きな時差が生じることになります。

αケンタウリに到達した探査機が地球に電磁波の信号を送っても、信号が地球に届くのは4.3年後で、その後地球から探査機へ信号を返送した場合、さらに倍の時間がかかってしまうのです。

○有望な推進システム

では将来的に実現できる可能性のあるもので、100年未満という超短期間でαケンタウリに到達できる推進システムはどのようなものがあるのでしょうか?

まず核融合反応をエネルギー源として利用した宇宙船は、仮に実現すれば、αケンタウリまで100年未満で到達できる可能性があるとされています。

しかし核融合発電を実現するには極端な高温・高密度環境を用意する必要があり、地上ですら実現していません。

宇宙船の動力源とする場合、発電機構をさらに小型化・効率化する必要があり、課題は山積みです。

また、核融合エンジンを利用した宇宙船よりもさらに短期間でαケンタウリに到達できる可能性のある技術として「ブレークスルー・スターショット」計画があります。

ブレークスルー・スターショットでは、質量がたった数gの超小型の探査機「スターチップ」を開発し、それに極薄の帆を取り付け、地上から強力なレーザー光を照射して加速させます。

この方法により、探査機は光速の約20%まで加速され、アルファ・ケンタウリまで約20年で到達することを目指しています。

この計画では約千個のスターチップを連続して飛ばすことで、どれかが道中で星間物質と衝突して破壊されても問題ないように設計されています。

しかしこの方法にも、レーザー装置、スターチップ、帆の開発の問題や、どのように減速するのかという問題など課題はいくつも存在します。

あまりに宇宙が広いため、星間移動は極めて困難です。不可能ではないにせよ、実現はまだしばらく未来の出来事になるでしょう。

https://i4is.org/reaching-the-stars-in-a-century-using-fusion-propulsion/#gsc.tab=0

https://www.youtube.com/watch?v=xRFXV4Z6x8s

https://www.eso.org/public/videos/eso1241a/

https://www.eso.org/public/videos/eso1629c/

「宇宙ヤバイch」というYouTubeチャンネルで、宇宙分野の最新ニュースや雑学などを発信しているYouTuberです。好きな天体は海王星です。

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