ペットにも食欲の秋が到来 ダイエットをどうすればいいのか。間違えれば、病気になるリスクも。
食欲の秋が到来しました。いままであまり食べてくれてなかった犬や猫が、気温が下がり始めると、食事が進みます。喜んでいるからといって、好きなだけあげていいのでしょうか。
体重が増えると犬や猫も病気のリスクは高まります。単にダイエットすれば、いいというものではありません。体重が落ちた後に、病気になりやすくなった子もいます。(現実に、キャベツと少量のドッグフードだけ食べて体重は減ったけれど、難治性の皮膚病になった子もいます)今回は、科学的根拠に基づいた犬や猫のダイエット法を。
肥満とは何か?
肥満とは、食べたものによって、カロリーがオーバーして、体に脂肪が蓄積される状態のことをいいます。肥満の状態を示すものとして、「ボディ・コンディション・スコア(BCS)」というものがあります。標準体型かどうか、見たり触ったりして測定します。
簡単な見方
・外から見て、柔らかい脂肪がついている。
・肋骨が触れるか。
・上から見て腰のくびれは見られるか。
などです。難しい場合は、獣医師にやってもらいましょう。
肥満になりやすい子
種類によって変わってきます。
・避妊・去勢手術をした子たちです。
発情のエネルギーを使わないので、食べることが好きになる子が多いので、この子たちは特に、気をつけてください。
・室内飼いの犬や猫(家族の人が食べるときに、ついついあげてしまう)
・元来狩猟などをする犬は、運動量が少ないと肥満になりやい。
小型犬:ミニチュア・ダックスフンド、カニンヘン・ダックスフンド、パグ
中型犬:コーギー、ビーグル
大型犬:ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー
肥満傾向だとなりやすい病気
・心臓病
・関節炎・関節疾患
・皮膚疾患
・糖尿病
・高脂血症
などです。病気のリスクを減らすためにも、適正な体重にしてあげましょうね。
ダイエットする前に
飼い主が単に太りすぎだと思っていたら、体が腫れている場合もあり、病気の可能性があります。
・がん
・猫伝染性腹膜炎(FIP)
・糖尿病
・肝臓病
・副腎機能亢進症(クッシング病)
・妊娠
・便秘(猫の巨大結腸症)
・胃捻転
などがあるので、獣医師に診てもらい、血液検査をしてから始めましょう。(肥満に見えていても総合タンパク質が少ない子・栄養失調の子もいます)
血液検査の見てもらいたい項目
・TP(総合タンパク)
・Alb(アルブミン)
・WBC(白血球数)
・Ht(ヘマトクリット値)
・CRP(犬の炎症マーカー)
・SAA(猫の炎症マーカー)
危険なダイエットの後になりやい病気
・がん
・皮膚病
などになりやすくなります。
その理由は、極端にタンパク質を取らないと、栄養失調になるからです。がんは免疫不全で起こる病気ですが、体の免疫を守る白血球は、タンパク質で出来ています。それが必要量ないと、そのようなことが起こるのです。体がまずタンパク質を頭と心臓に運びます。最後に皮膚にタンパク質が回ってくるので、皮膚に栄養が届きにくくなり、無理なダイエットの後は皮膚病になりやすいのです。
ダイエットの方法
・食べ物のカロリーを減らすことです。
・家族の人が、与えている量を把握する。
家族が多いと、自分が少ししかオヤツをあげていないでも大丈夫と思いがち。4人家族だとその4倍になるので注意が必要。
・食べる回数を頻回にする。
食べることが好きな子が、カロリーを減らせるとストレスになる場合があるので、同じ量のフードをいままで2回であげていれば、3回4回に増やす。フードのカロリーや量が減っているけれど、回数が多いので、彼らは満足します。
・オヤツは極力、与えない。犬の場合は、トマトやブロッコリーの芯などを代用
・猫の場合は、自由に食べさせる(自由給与法)のはやめる。
決まった時間に出すように。(いままで、ずっと置いたままの場合は、1時間、2時間と置いておく時間を減らしていく)
ペットフードの選択
・総合栄養食の中で低カロリーや肥満用のフードを。(タンパク質は必要なので、単に量を減らした方がいいというものではない)
・適切な体重になれば、従来のものにもどす。
運動をする
・散歩の時間を増やす。
・無理な運動をさせると、関節疾患になったりするので、ゆっくりとその子のペースに合わせて。
まとめ
犬や猫の体は当然ですが、飼い主があげたものでつくられています。そのひと口が肥満のもとになります。ただカロリーを減らしたらいいというものではなく、必要なタンパク質の量などは守りながら、体重管理をしてあげましょうね。彼らと楽しみながら、体重管理をしましょう。