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サイドアタッカーが両サイド各2人いない森保J。日本代表はなぜ毎回、同じ症状を露呈させるのか

杉山茂樹スポーツライター
左サイドを突かれ逆転負けした2014ブラジルW杯対コートジボワール戦(写真:ロイター/アフロ)

 2018年ロシアW杯。日本はどこが優れていたか。筆者が特筆したくなるのは左サイドにおけるサイドバック(SB)とウイングの関係になる。長友佑都と乾貴士。両者がよいコンビネーションを発揮したことが、ベスト16入りの原動力になっていた。サイドバック(SB)とウイングの理想的な関係を見るようだった。

 一方、その4年前、長友佑都が香川真司と組んで臨んだ2014年ブラジルW杯は、逆にその左SBとウイングの好ましくない関係が、グループリーグ敗退の原因になっていた。

 今回はどうなのか。しかし世間はコンビ以前の問題としていま、W杯本大会時には36歳になっているチーム一のベテラン左SBに対して厳しい目を向けている。

 中国戦では長友に代わって交代出場した中山雄太が、鮮やかなアシストを決めた。中央に走り込んだ伊東純也の頭めがけて、左足キックをドンピシャリのタイミングで蹴り込み、日本に貴重な2点目のゴールをもたらした。右利きの長友には真似のできない芸当を、交代出場するや即、披露した。次戦サウジアラビア戦の左SBは中山で、との声が増すのは当然だろう。

 長友の途中交代はこれで6試合連続になる。最初は時間稼ぎ同然の交代だったが、ここ3試合は後半18分、後半17分、後半13分と、試合毎にベンチに下がる時間が早まっている。選手交代5人制なので多少、割り引いて考える必要があるとはいえ、先発した4人のディフェンダーの中で、試合の途中でベンチに下がったのは長友ひとり。

 いきなり外しては騒ぎになるので、段階を踏みながら、まさに取り扱いに注意しながら、慎重に既成事実を積み上げているという感じだ。日本的というか、森保監督の優しさと捉えることもできるが、その特別扱いが明らかになっているところに哀れさを覚える。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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