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山口俊はローテーションに入れるのか。初登板の結果は別にしても、リードしているのはライバル!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
山口俊(トロント・ブルージェイズ)Feb 24, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月24日、エキシビション・ゲームの先発マウンドに上がった山口俊(トロント・ブルージェイズ)は、3点を取られ、イニングを終えられずに降板した。打者7人に計29球を投げ、被安打3、与四球1、与死球1という内容だった。

 ブルージェイズのローテーションは、5枠のうち4枠が埋まっている。4年8000万ドルで入団したヒョンジン・リュ、2年2400万ドルで入団したタナー・ロアーク、トレードでミルウォーキー・ブルワーズから移籍したチェイス・アンダーソンに、故障からの復帰をめざすマット・シューメイカーだ。故障による離脱がない限り、この4人が外れるとは考えにくい。

 残る1枠には、山口かトレント・ソーントンが入ることになるだろう。ライアン・ブロッキは、肘の故障からのリハビリ中だ。開幕には間に合わない。

 山口の2日前に投げたソーントンは、1人目の打者を歩かせたものの、そこから6人続けて討ち取った。

 最初の登板で判断するわけではないが、ローテーションに入る可能性は、山口よりもソーントンの方が高いと思われる。山口と違い、ソーントンはシーズンを通してリリーバーとして投げたことがない。マイナーリーグの通算は、先発78登板とリリーフ10登板。メジャーリーグ1年目の昨シーズンは、29登板と3登板だった。先発時の防御率は5.04ながら、開幕から9月上旬まで、ほぼローテーションを守った。

 ここから、明らかな差がつけば別だが、2人のうち、どちらを先発5番手としてもいい――あるいは消去法で一方を選ばざるを得ない――となった場合は、この点、リリーバーとしての経験の有無が決め手となるような気がする。

 ソーントンは26歳。2015年のドラフトでヒューストン・アストロズから5巡目・全体139位指名を受け、2018年のオフにアレドミーズ・ディアスと交換にブルージェイズへ移った。エースにはなれなくても、先発3~4番手クラスの資質はありそうだ。なかでも、スライダーはスピンが効いていて、大きく曲がる。スタットキャストによると、昨シーズンは平均3089回転/分。これは、100球以上の334投手中、2番目の高回転だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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