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博多豚骨ラーメンの源流の一つとされる72年の歴史ある名店〈創業時と変わらない平打ち麺と素朴なスープ〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市東区馬出の「馬出中央商店街」の一角にあり、創業は1952年(昭和27年)と72年の歴史と伝統を誇る、福岡・博多を代表する老舗の豚骨ラーメンの専門店。それが〈博龍軒〉で、博多ラーメンの起源とされる福岡市博多区祇園の「三馬路(現在のうま馬)」や、博多の豚骨ラーメンの発祥店の一つとされる「元祖赤のれん」とともに、今も現存する博多ラーメンの源流のお店としても知られている歴史ある名店。

時が止まったような博多の原風景

この日、数年ぶりに訪れたのは開店直後の10時半過ぎ。馬出中央商店街の最奥のエリアに2台分ある専用駐車場の一つに車を停め店内へ向かう。まずお店の外観は色褪せた看板と古びた暖簾が変わらずの雰囲気を醸し出している。

ドアをスライドさせ店内に入るとさらに侘びと寂びが印象的な朱色のL字型のカウンター席は貫禄さえ感じさせる趣き。選択は壁にかかるメニュー表の中から迷うことなく「ワンタンメン」を注文した。

あらためて店内を見渡すと昭和の頃と錯覚を起こしそうになるくらいの時が止まったような空間になっている。ワンタンメンを流れるような手さばきで仕上げていくその過程を眺めながら待つこと少々。

配膳された「ワンタンメン」は、小さめの丼碗をびっしりと覆うワンタン。豚骨のスープはなみなみと注がれていて、スープの色は一般的なイメージの白濁ではなく、昔ながらの醤油の色味が強く残っている茶褐色。

豚骨の香りは感じながらもスープ自体の濃厚さはなく醤油の甘めな口当たりと軽やかさであっさりとした味わいに。どこか懐かしい一杯に仕上がっていて今もなお博多の豚骨ラーメンの「源流らしさ」を色濃く残している素朴な味わい。

手包みされたワンタンは小ぶりながらしっかりとした飴の味付けが感じられる美味しい味わいで食べ応えもある逸品(これが食べたかった!)。

創業当時とほとんど変わらないという自家製の麺は、細ストレートの平打ち麺で、しなやかで柔らかな食感。スープとの絡みもよく相性抜群。これぞ〈博龍軒〉という、見た目からもその特徴が分かる逸品。

この日、訪れたタイミングは、高校生くらいのお若い方とご高齢の老人という地元の方らしい先客があり、そのあまりにも馴染んだお二人の雰囲気と歴史あるお店の面影も相まって、時が止まったような昭和の原風景といった懐かしさも感じられた。

メニューのラインナップをおさらい

福岡・博多らしく現在は「替玉」も150円で用意されているものの、各メニューに「大盛」があり、価格的にもちょっとお得なのが特徴。ベーシックな「ラーメン」は600円で(大)700円。以下、同様に「もやしラーメン」は650円で(大)750円、「メンマラーメン」は750円で(大)850円、「チャーシューメン」は900円で(大)1000円、「ワンタンメン」は850円で(大)950円、「チャーシューワンタンメン」は1100円で(大)1200円。あとは「ワンタン」の単品が600円と「めし」の(小)150円(中)200円というラーメン専門店らしいラインナップになっている。

福岡・博多のラーメンを語る上では欠かせないお店の一つなので、ご旅行などで食べ歩きする際は、こちらの〈博龍軒〉も博多の豚骨ラーメンのルーツのお店として楽しむのはいかがでしょうか。そして今流行りの豚骨ラーメンと食べ比べしてみて、その変化の過程を体感してみるのも良いかもしれませんね。

博龍軒

住所  :福岡県福岡市東区馬出2丁目5-23[地図
営業時間:10時30分〜15時30分
店休日 :月曜日・木曜日
駐車場 :専用駐車場あり(2台分)

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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