今年も梅雨末期の豪雨災害に警戒を 7月のスタートと共に大雨リスク急上昇か
7月とともに季節が急発進
今週は季節が急発進しそうです。
上図は太平洋高気圧と雨雲の予想を示したもので、オレンジ色の領域が真夏の空、梅雨明けをもたらす太平洋高気圧の勢力範囲となります。
6月も終わりに近づきましたが、平年より早めに梅雨入りした沖縄では、梅雨明けの平年日(6月21日)から一週間経た現在も未だ梅雨明けの発表がありません。これは紛れもなく太平洋高気圧が弱いためで、あさって30日(水)の段階でもまだ沖縄の南海上に留まっており、沖縄付近には梅雨前線に伴う雨雲が横たわっている状態です。
ところが7月の声を聞くとともに太平洋高気圧は勢力を拡大し、1日(木)から2日(金)にかけて、一気に沖縄周辺を覆う予想です。
このため、早ければ2日(金)にも沖縄では梅雨明けの発表があると思われます。沖縄の梅雨明けが7月にずれ込むのは過去70年間で8回ですから、平均すれば10年に一回程度の遅い梅雨明けだと言えるかもしれません。
そして沖縄で梅雨が明けるということは、裏を返せば本州付近の梅雨が最盛期になるということでもあります。まさに2日(金)は太平洋高気圧によって押し上げられた梅雨前線の活発な雨雲がちょうど本州付近を通過する予想となっており、これがかなりの危険度を伴うおそれがあります。
暖湿流の予想をみると、非常に強い雨や猛烈な雨をもたらしかねない多量の水蒸気を伴った暖かな空気が西日本から東日本にかけて流れ込み、広く大雨となるおそれがあります。
気圧配置によっては、線状の降水帯が発生してもおかしくはない状況となりそうです。
活発な梅雨前線は動かず
2日(金)の雨は3日(土)にかけて東北地方まで広がるため、九州から東北まで、ほぼ全国的に大雨に見舞われるおそれがあります。
その後も太平洋高気圧の勢力は沖縄から本州の南岸付近に留まるため、その北側に位置する梅雨前線は本州付近に長期間停滞するような形となり、これはまさに本州付近で大雨の降りやすい梅雨の最盛期、あるいは梅雨末期の状態だと言えます。
大陸からの暖湿気や北からの寒気、あるいは乾いた空気の流れ込み次第では、九州を中心に線状降水帯発生のリスクも上昇するとみられ、更なる警戒が必要となるかもしれません。
危険な傘マークがズラリ
全国の10日間予報をみると、7月のスタートと共に沖縄と本州の傾向が一転しており、
沖縄では梅雨明けと共に真夏の空が広がる一方、本州付近は傘マークがズラリで、しかも大雨危険度のかなり高い傘マークだとも言えます。
特に2日(金)から3日(土)にかけては全国的に大雨のおそれがあり、その後も九州など西日本を中心に大雨リスクの高い状態が続く見込みです。
近年の顕著な水害(球磨川氾濫、西日本豪雨、九州北部豪雨など)はいずれも7月早々に発生しており、時期的に危険な気象条件になりやすいことも警戒を要するポイントとなるかもしれません。
適度な大雨で終われば、それに越したことはありませんが、7月のスタートと共に水害に結びつくような大雨がいつ降ってもおかしくない気象条件が続きます。
ハザードマップで危険な場所や避難場所の確認、あるいは防災グッズの用意、また今年避難指示などの修正が行われた大雨警戒レベルの確認などを積極的に行い、防災意識を高めておくことが必要です。
さらに今般運用が始まった顕著な大雨に関する気象情報(線状降水帯発生情報)なども目を通しておいた方がいいかもしれません。