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【動物行動学】あまりの暑さに猫も溶ける 暑いと感じている動作

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
コンドリア水戸@mitoconcon より

7日の七夕は日本各地で体温を超える危険な暑さになりました。静岡市では2024年、全国で初めて最高気温が40度になり、熱中症に注意です。

今年も猛暑が続くといわれています。

猫を飼っている人は、猫が熱中症にならないように行動学を勉強して、熱中症を予防しましょう。

暑くなりはじめると、猫が溶ける

コンドリア水戸@mitoconconさんのXには、猫の日常の様子がたくさん投稿されています。上の7月3日の投稿は人気で、198万回閲覧されて6.7万回のいいねをもらっています(7月7日現在)。

猫がストーンと落ちる瞬間がよくとられています。

コンドリア水戸さんは他の6月29日の投稿で、「我が家の夏の風物詩、猫の胴体着陸が始まりました。今シーズンはコンディションが良く、後ろ脚の粘りがなかなか強い」とあります。

猫は、人間のように体全体から汗をかけないので、暑いときは、体表面を広げて体温を下げようとします。

暑くなるとコンドリア水戸さんの家では、猫の胴体着陸が始まるようで、コンドリア水戸さんはよく猫を観察されています。

猫が暑いと感じているときの行動

イメージ写真
イメージ写真写真:アフロ

猫が暑いと感じているときの行動にはいくつかの特徴があります。以下のような5つの行動が見られたら、猫が暑さを感じているサインですので、注意してあげてください。

1、仰向けになる

家の中を安全だと思っていると、猫は以下のような行動をします。猫はお腹を上にして寝ることで、体の熱を逃がそうとします。

2、懸命に毛繕いをする

猫は汗腺(肉球など)が少ないため、毛繕いをして気化熱で体温を下げようとします。

3、風通しのいいところでじっとしている

猫は上下運動ができるので、涼しい場所を見つけて、そこでじっとしていることが多いです。

ここまでは、猫は暑さを感じて涼しくしようとしています。以下の行動をしていると、命にかかわることがあります。

4、口を開けて呼吸をする

猫が口を開けてハアハアと呼吸をし始めると注意が必要です。熱中症になっている可能性があります。部屋の温度を下げて、猫を氷などで冷やしましょう。なかなか収まらないでしたら、動物病院に連れていきましょう。

5、嘔吐する

口を開けて、嘔吐を始めると熱中症の疑いがあります。

このような行動が見られたら、氷などで体を冷やして直ちに動物病院に連れていきましょう。

まとめ

イメージ写真
イメージ写真写真:イメージマート

飼い主が暑いなと感じるとき、猫にとっては熱中症になるリスクが高いです。エアコンをつけてあげて18度から28度ぐらいの室温にしてあげてください。そして、エアコンで冷えすぎた体を温めることができるフリースなどを置いておくことも忘れずに。

猫が暑いと感じているサインを見逃さず、適切な対策を取ることが大切です。そして、涼しいところに新鮮な水を常に用意することなどが効果的です。

猛暑が予想されているこの夏、猫を熱中症にしないようにしましょう。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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