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【獣医師の希望】16歳・寺田心さんの夢は動物のお医者さん 毎朝「4時か5時起き」保護犬たちの散歩

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
寺田心さんの小さいときの写真(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

寺田心さんは「エンジン01動物愛護・ワンダフル・パートニャーズ賞」を受賞したとデイリーは伝えています。

この記事の中で、寺田さんが日頃の散歩について、朝は「4時か5時に起きている」といい「1匹は祖母の家にいるので、一日3時間、2匹ずつ散歩に行く」と明かしています。

寺田さんの夢は獣医師だそうです。保護犬に強い関心を持つ寺田さんが獣医師になれば、保護犬の救世主になるのではないでしょうか。寺田さんが獣医師となった未来を想像してみましょう。

犬を飼うとはどういうことか?

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イメージ写真写真:アフロ

ペットショップに行けば、動くぬいぐるみのような子犬がいます。動物好きな人なら、かわいいと思うでしょう。

しかし、犬を飼うことは、愛情と時間、そして体力が必要なたいへんな責任のあることです。

まだ16歳で高校生の寺田さんが、保護犬3匹を含めて計5匹の犬を飼い、毎朝4時や5時に起き、犬たちを散歩させる日課を続けているそうです。高校生は夜更かししがちで、朝起きるのが難しいこともあるのに、寺田さんの努力には本当に頭が下がります。

雨の日や、飼い主自身の体調がすぐれない日でも、犬がいる限り散歩に行かなければなりません。

多くの犬は毎日の運動が必要で、散歩が欠かせないため、飼い主は天候や体調に関わらず対応する責任があります。さらに、犬の健康管理や老犬の介護は特に難しく、場合によっては介助が必要です。

犬を飼うことで得られる愛情や喜びは大きいですが、その分、日々の世話や責任も同じくらい重いものです。寺田さんが毎朝4時か5時に起きて散歩に行く姿が知られれば、多くの飼い主も頑張って散歩に励むようになるでしょう。

犬の寿命は15歳

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イメージ写真写真:イメージマート

さらに寺田さんは、老犬介護のボランティア活動にも取り組んでおり、犬の老いと介護の重要性を広めています。

犬の平均寿命は約15歳で、年齢を重ねるとともに、体力や健康が衰え、介護が必要になることが多いです。

子犬から飼った人は想像しにくいかもしれませんが、犬は一般的には7歳ぐらいから、老犬になるといわれています。以下のような健康問題があります。

・関節の痛み

・視覚、聴覚の低下

・内臓機能の衰え

・歩きにくくなる

・寝たきり状態になる

・がんになる

・夜鳴きする

・認知症になる

特に大型犬は老化が早く、より早期に介護が求められることがあります。飼い主は老犬が快適に過ごせるよう、日々のケアが欠かせません。

たとえば、床に滑りにくいマットを敷いたり、歩行をサポートする器具を使ったり、生活環境の工夫が求められます。

老犬の介護には時間と労力がかかりますが、寺田さんのようにボランティア活動を通じて、飼い主がこの大切な時期にどう向き合うかを学ぶことができます。

犬にとっても、最後まで時間を愛情をもって過ごすことが非常に重要で、飼い主の理解と支えが欠かせません。犬には老いがあり、介護が必要であることを寺田さんの行動を通して知ることができます。

獣医師になるには?

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イメージ写真写真:イメージマート

寺田さんは現在、高校生です。獣医師になるためには、まず大学の獣医学部に進学する必要があります。日本には獣医学部を持つ大学が全国で17校あります。このうち11校が国公立大学、6校が私立大学です。

獣医学部のある国公立大学には、北海道大学、岩手大学、帯広畜産大学、東京農工大学、岐阜大学、大阪公立大学、鳥取大学、山口大学、宮崎大学、鹿児島大学、が含まれます。

私立大学には、日本大学、酪農学園大学、北里大学、麻布大学、日本獣医生命科学大学、そして岡山理科大学があります。

獣医学部は6年間のカリキュラムで、動物の解剖学、生理学、薬理学などの基礎医学を学ぶほか、臨床実習で実際の診療や手術の技術を習得します。

卒業後は農林水産省が行う「獣医師国家試験」を受験し、合格することで正式に獣医師の資格を得ます。国家資格合格後に社会で獣医師として働きます。

寺田さんが獣医師になった未来

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イメージ写真写真:アフロ

寺田さんのような、子役の頃から活躍している人がもし獣医師になれば、保護犬の重要性や犬を飼うことの責任が多くの人に広まり、社会的な関心が一層高まるでしょう。

犬は人にとって癒やしや喜びをもたらす存在であり、その愛情深い性格から多くの家庭で愛されています。

しかし、その一方で、遺棄されたり不適切な環境で飼育されている犬たちも少なくありません。飼い主が十分な理解や責任感を持たずに犬を飼い始め、手に負えなくなって放棄するケースが後を絶たないのです。

特に保護犬は、元の飼い主から捨てられたり、虐待を受けていたりすることが多く、精神的にも肉体的にも傷を負っています。寺田さんが活動する保護犬のボランティアは、こうした犬たちを救い、新たな飼い主に出会わせる大切な役割を果たしています。

犬を飼うことには大きな責任が伴うことを、多くの人に知ってもらうためにも、寺田さんが獣医師として活動することで、その影響力がさらに広がり、犬たちが適切な環境で幸せに暮らせる未来が築かれるのではないでしょうか。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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