熱海市長 Make ATAMI Great again と熱弁!1200万・活性化請負人を公募
静岡県熱海市といえば、誰もが知っている温泉のまち。東京駅から新幹線で約45分。あの将軍・徳川家康が湯治に訪れ、その後湯を江戸城まで運ばせたと言うほど。著名な政財界関係者や文化人もこぞって別荘をもったり湯治に訪れたことでも有名ですよね。
始まりは奈良時代…と歴史ある温泉地でもあります。
およそ40年前には約500万人が宿泊に訪れた一大温泉地。しかしその後、長期低迷期を迎え平成23年には、256万人まで下降を続けてきたんです。しかし、その後行政や観光事業者の方々などの様々な努力を通じて、宿泊客数はV字回復!平成25年度には300万人を突破し、駅ビルの再開発などもあり新たな活気が生まれつつある。Uターンをし、NPO法人atamistaを立ち上げ地域活性に取り組む市来広一郎さんのような元気ある若者の存在も見逃せないでしょう。
そんな熱海市で、齊藤栄・熱海市長がかの国の大統領を彷彿とさせるキーワードを熱弁し注目を集めているのです。ええ、そうですよ、トランプ・アメリカ大統領!
(後半には市長会見の動画も貼り付けましたが、トランプ氏を意識していると思われる右手の動きも注目ですw)
"make Atami great again"
ここまで振り切った発信を市長が取り組むのは、長期低迷期の閉塞感を打ち破り、V字回復の最中である熱海の成長をより本格的にしようと【年収1200万円】で熱海活性化の請負人を全国公募するということなんですね。
というのも、行列のできる中小企業相談所とも言われる、富士市産業支援センター(通称f-Biz/エフビズ)をモデルに今年、熱海市チャレンジ応援センターA-bizのチーフアドバイザーを年収1,200万円で公募するというもの。f-Bizは相談者の“強み”を活かして、具体的に売上アップのための知恵を出し、そのチャレンジを全力でサポートする中小企業相談所と注目を集めています。小生がセンター長を拝命している岡崎ビジネスサポートセンター・OKa-Bizを始め、全国10都市以上でf-Biz型相談所がたちあがり、いずれも期待上回る成果を上げています。
とはいえ人口3万7千人の熱海市にとって、年収1200万円のセンター長公募は思い切った展開。そこで、齊藤熱海市長にお話を伺ってきました。
▼まず、「あの人」を彷彿とさせる"make atami great again"に込めた思いを教えてください。
熱海は、過去、2度の大きな発展がありました。1度目は明治から大正時代にかけて政財界の要人や文人墨客の保養地としての発展。2度目は戦後の高度経済成長期(昭和40年頃)に社員旅行の地としての発展。今年は市制施行80周年という節目の年であり、第3の成長期を目指す大きな時代の変革期を向かえていると思います。今後は、地域の事業者の力を最大限発揮していただいて、過去の発展をも上回る成長を成し遂げ、長く続く豊かな熱海を実現したいという思いです。
▼率直に言って熱海の産業、こと観光業の現状をどうみていますか?
最近熱海はV字復活したと言われるようになりました。過去5年間の宿泊客数は30%伸びています。しかし、この数字は最盛期の約半分であります。まちの賑わいも増しつつありますが、持続的な発展の軌道に乗るため、継続した観光・商業振興施策により、「日本でナンバー1の温泉観光地」づくりを加速していく必要があります。
▼なぜ、f-Bizモデルなのですか?
これまでの熱海市の産業政策(商工政策)の課題は次のとおりでした。
1)活動の主体や支援の主体、役割などがはっきりしない
2)限られた政策資源(人員、予算等)で当面重点的に支援していくべき対象が明確となっていない(商店街単位での商工振興などが中心、等)
3)イベントなど通行量増加の支援が多く、商品やサービスの魅力向上、マーケティングの支援等が十分にできていない(通行量があっても、売り上げは伸び悩み、等)
4)熱海市、熱海商工会議所ともに、これらの支援のノウハウ蓄積が十分ではなく、人材も不足
こうした問題意識から、2012年に「新生(リニューアル)熱海」の事業のひとつとしてA-biz(熱海市チャレンジ応援センター)を設置させていただきました。当初A-bizは、f-Biz・小出氏の後方支援を受け,市職員と商工会議所の職員がサポートを担当しました。徹底した支援は一定の成果をあげ、また職員の意識も変えたのではないかと思います。
今回のチーフアドバイザーの募集は、これまでのA-bizの取り組みを一段高いところに押し上げ、本市が目指す「日本でナンバー1の温泉観光地」づくりを加速化させるためのものであり、「高い専門性」「情熱」「スキル」「行動力」をもった人材が招聘できることを望んでいます。
▼しかし年収1200万、おもいきりましたね。市長の年収を超えるものでは?
年収1200万円という報酬は、熱海の覚悟と期待の表れです。熱海でチャレンジする人たちをサポートしていただき、熱海が元気になれば、日本の他の温泉地の、そして観光地の希望となるはずです。
※熱海市長の年間給与は2015年で1017万円とのこと(熱海ネット新聞より)
▼ 最後に改めて、make atami great againへの思いを。
熱海を再び偉大な温泉観光地にします!
"Make Atami Great Again! Make Atami Great Again!"
熱海市は本気です! あなたの応募をお待ちしております!
そして、インタビューに際して動画メッセージまで頂きました。
市長の定例記者会見の中で、一部撮影されたもの、とのことです。
地方創生の掛け声の中、国からの予算を受けて各地では知恵を絞った取り組みが行われています。旧態依然としたハード整備を中心としたところもあれば、商店街でのイベントに取り組むもの、あるいはインバウンド強化やソーシャルビジネス支援を始めるものなど様々。
そんな中で、市長自らがここまで振り切って取り組む(とはいえ、ちょっと恥ずかしそうですけれど)f-Biz型の中小企業相談所。
観光業はもとより、食堂や工務店、街の小さなネイルサロン…様々な業種の相談を受けながら、具体的に売上アップのサポートをしていく取り組み。
そんな地域活性のど真ん中に飛び込みたい、という方は応募してみても良いかもしれません。
また同様の求人が、以下の2市1町でも行われています。
秋元祥治
NPO法人G-net代表理事・滋賀大学客員准教授・OKa-Bizセンター長
ではでは。