地球に落下する2時間前に小惑星を発見、火球となって燃え尽きた見込み、史上10例目の事前発見となる
10月22日、小惑星が地球に落下していたことをご存知でしょうか。これは史上10例目となる、地球に落下する前に発見された小惑星となりました。本記事では、近年増加している小惑星落下の発見について解説していきます。
■1メートルサイズのため、大気圏突入時に燃え尽きる
10月22日、ハワイの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)が一つの小惑星を発見しました。「2024 UQ」と命名されたこの小惑星は、なんと発見から2時間後には地球に落下することが判明したのです。
それでは、私達の生活への影響はなかったのでしょうか。ご安心ください。その大きさはわずか1メートルほどであり、地球への脅威とはなり得ませんでした。そして、カリフォルニア州近くの太平洋上で燃え尽きたと考えられています。NASAの地球近傍天体研究センター(CNEOS)は実際に火球の発生を確認しています。
ヨーロッパ宇宙機関によると、この小惑星は2024年で3番目に接近した衝突天体と考えられています。最初は1月に、今回と同様のサイズの小惑星がドイツ上空で燃え尽きました。そして2番目も9月にフィリピン上空で燃え尽きています。
実は、同サイズの小惑星は2週間に1個のペースで地球に落下していますが、サイズが小さすぎるため事前に発見できたのは、今回を含めて10個しかないのです。そのため、今回の発見は非常に稀なことであり、天体調査システムが高精度に機能していることを実証しています。
■9月には地球の月が2つになる現象も発生
2024年8月には、「ATLAS」が一つの小惑星を発見しました。その小惑星は9月29日より地球の重力に引き寄せられ、一時的に地球の二つ目の月(=衛星)となることが判明したのです。それでは接近する小惑星はどのような天体なのでしょうか。
「2024 PT5」と名付けられたその小惑星は、地球近傍の小惑星グループである「アルジュナ群」に属すると考えられています。気になるサイズですが、約10メートルと小型であり、目視では見つけることは難しいと考えられています。
9月29日に地球の衛星となった小惑星は、U字を描きながら地球を一周し、56日後の11月25日に地球を離れると考えられています。その後は元の太陽を中心とする軌道を周回することになります。その後も2025年1月9日に地球へ再度接近すると見られています。何だか今まで地球に衝突しなかったことが逆に珍しく感じてきますね。そして、次の最接近の機会は31年後の2055年だそうです。
実は、このように地球の重力が小惑星を一時的に捕まえることは珍しいことではなく、2006年にも小惑星が約1年間地球の周りを周回していたこともありました。
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