巨大地震の前兆と言われる「スロースリップ」「地震閃光」過去の千葉県沖群発地震やモロッコ地震での観測
8月8日、宮崎県沖で発生した震度6弱の地震を受け、気象庁は史上初となる「南海トラフ地震臨時情報」を発表しました。本記事では、現在観測されている訳ではありませんが、巨大地震の前兆として注目されている「スロースリップ」と「地震閃光」をご紹介します。
■巨大地震の前兆と呼ばれる「スロースリップ」
通常の地震に対し、プレート同士の境界が跳ね上がらずゆっくり動いてエネルギーを放出する現象もあります。これは「スロースリップ」と呼ばれており、揺れは発生していますが、私たちが気付くような大きさではありません。
2011年の東日本大震災の前にもスロースリップが観測されていました。現在はこのスロースリップを検出し、巨大地震の前兆を見つけるための研究が進められています。
そして、2024年2月には千葉県沖で地震が頻発したことでもニュースとなりました。3月1日には最大震度4も記録されており、これは「スロースリップ」が発生していると考えられています。地震調査委員会によると、プレートがおよそ2cm動いたと推定され、震度5弱以上の地震が発生する可能性が高いとも報道されています。
今回の8月8日に発生した宮崎県沖地震でもスロースリップは確認されています。しかし、2月の千葉県沖群発地震とは異なり、普段繰り返し観測されている揺れと同程度とのことです。そのため、南海トラフで性質が異なるスロースリップは今のところ確認されていません。
■地震の前に発生する謎の発光現象
スロースリップ以外にも地震の前兆と考えられている現象があります。2023年、モロッコでマグニチュード6.8の地震が襲う前に、謎の閃光が目撃されました。実はこの現象は遥か昔、古代ギリシャ時代から事実として記録に残っている現象なのです。
そして、ついにこの現象の原因が解明されました。それは、岩石に溜まっている電荷が、地震波との衝突により放電されるためとのことです。電荷はプラズマ状態となり、超高速で地表に到達して空中で爆発的な閃光を放ちます。この現象は、震源から600km以内で目撃されるとのことです。
必ず発生する現象ではないとのことですが、現在はこの現象を地震の予知システムに取り組むための研究が続けられているとのことです。必要以上に巨大地震を恐れるべきではありませんが、改めて地震の備えを確認しておきましょう。
【関連記事】