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(4) アフリカとの未来:欧州連合(EU)「一般教書(施政方針)2018」ユンケル委員長演説全文翻訳

今井佐緒里欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者
ユンケル委員会の委員たち。欧州委員会カレッジの夏の定例セミナーで8月末に撮影。(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

この記事は、(1)(2)(3)の続きです。

欧州連合(EU)「一般教書(施政方針)2018」ユンケル欧州委員会委員長の演説 全文翻訳(1)

(2) 欧州連合(EU)「一般教書(施政方針)2018」ユンケル欧州委員会委員長の演説 全文翻訳:一つのヨーロッパ

(3) 欧州連合(EU)「一般教書(施政方針)2018」ユンケル委員長の演説 全文翻訳:難民問題

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欧州議会議長殿、

あなた方に将来についての話をしたい、つまり、私たちのいとこの大陸であるアフリカついて話をしたいのです。

今から2050年までに、アフリカには25億人が暮らすでしょう。 4人に1人がアフリカ人になるのです。

この偉大で高貴な大陸やアフリカの国家との私たちの関係に、もっと投資するべきです。

アフリカとヨーロッパのこの関係を、私たちがあたかも開発援助を与える人々でしかないように検討するのはやめるべきです。そのようなアプローチは不十分ですし、実際に侮辱的です。

アフリカは慈善(慈悲)を必要としません。バランスの取れたパートナーシップと、真のパートナーシップが必要なのです。 そして私たちヨーロッパ人も、同じくそのようなパートナーシップを必要としています。

この演説を準備する際、私はアフリカの友人たち、特にアフリカ連合の議長(president)であるポール・カガメと話しました。 私たちは、未来にはそれぞれの約束が相互のものになることを、議論の末に同意しました。私たちはアフリカと新しいパートナーシップを構築したいと望んでいます。

(訳注1:アフリカ連合は、1963年に創設されたアフリカ統一機構を前身として2002年に発足。55カ国が参加。組織は欧州連合をモデルにしている面がある。アメリカとEUに代表部を置いている。カガメ氏はルワンダ大統領)

(訳注2:婉曲的な言い方をしているが、文脈から考えて、与える側と与えられる側ではない対等な関係を築けるようにしたいという意味と思われる)。

欧州委員会は現在、アフリカとヨーロッパの間に新たな提携、すなわち持続可能な投資と雇用のための提携を提案しています。この提携は、我々が想定しているように、今後5年間でアフリカに最高1000万人の雇用を創出するでしょう。我々はアフリカへより多くの民間投資を誘致するための枠組みをつくりたいと望んでいます。

(訳注:現在のアフリカ投資政策に関しては「欧州対外投資計画」を参照)

実のところ、我々はゼロから始めていません。2年前に立ち上げられた私たちの外国投資ファンドは、440億ユーロ以上の投資をアフリカの公共および民間部門へ投入しています。 既に予定され委任されているプロジェクトは、240億ユーロを投入するでしょう。

我々は、投資が真に違いをつくる分野に投資を集中させるでしょう。今から2020年までに、欧州連合はエラスムス・プログラムを通じて、アフリカの3万5000人の学生と研究者を支援する予定です。2027年までには、この数字を10万5000に増やす必要があります。

アフリカとヨーロッパの間の貿易は、重要ではないのではありません。 アフリカの貿易の36%は欧州連合との取引です。しかし、私たちの間のやり取りは十分ではありません。 私は、アフリカと欧州連合との間の数多くの通商協定を、大陸間の自由貿易協定、対等のパートナー間における経済パートナーシップに将来は移行するべきだろうと確信しています。

続く

ブレグジット問題(5):欧州連合(EU)「一般教書(施政方針)2018」ユンケル委員長演説全文翻訳

(※後日微調整をします)

欧州/EU・国際関係の研究者、ジャーナリスト、編集者

フランス・パリ在住。追求するテーマは異文明の出会い、平等と自由。EU、国際社会や地政学、文化、各国社会等をテーマに執筆。ソルボンヌ(Paris 3)大学院国際関係・欧州研究学院修士号取得。駐日EU代表部公式ウェブマガジン「EU MAG」執筆。元大使のインタビュー記事も担当(〜18年)。編著「ニッポンの評判 世界17カ国レポート」新潮社、欧州の章編著「世界で広がる脱原発」宝島社、他。Association de Presse France-Japon会員。仏の某省機関の仕事を行う(2015年〜)。出版社の編集者出身。 早稲田大学卒。ご連絡 saorit2010あっとhotmail.fr

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