「誕生日、結婚、X'masが一気に」オーストラリアに待望の雨
クリスマスと誕生日と婚約と記念日と結婚と卒業が、一気にやってくるようなものだ―。
雨の予報を受けて、13日豪州の消防局がこのようにコメントしました。予報通り、オーストラリア東部では雨が降っています。
雨の状況
上の右図は16日の降水の様子です。
山火事が起きている南東部を中心に、大雨を表す黄色や赤色のエリアがかかっているのが分かります。ニューサウスウェールズ州では2時間で78ミリ、ビクトリア州やクイーンズランド州では1時間で64ミリの非常に激しい雨が観測されています。
東部が2つの高気圧に挟まれたため、湿った北寄りの風と、同じく湿った南寄りの風がぶつかり、雨をもたらしています。
待望の雨
週末から気温が低めに推移していたことから、消防局は「防御から攻撃」の態勢で消火に臨むと発表していましたが、さらに今季一番の大雨が降って、消火活動の進展が期待されています。
また14日朝に「世界一空気が汚い都市」となり、空港の滑走路も一時閉鎖となったメルボルンでも、30分でひと月分の雨が降り、大気汚染の状態が改善されています。
新たな懸念
しかし、待望の雨が降った一方で、懸念される点もあります。
山火事によって地面が焼けこげ、水が吸い込まれにくくなっており、土砂災害の危険が高まっているのです。ビクトリア州ではすでに土砂崩れなどが発生し、救助要請が殺到しているようです。
また一万発もの雷も観測されており、停電が起きています。落雷によって、再び山火事が発生する恐れもあります。
今後の予想
豪州気象局の予想では、少なくとも今週末までは気温が低く、雨の傾向が続く見込みです。
しかしながら、こうした天候は一時的で、3月までは山火事が安定的に収まるような本格的な雨が降る可能性は少ないと見ているようです。