「ラーメンショップ」のDNAを受け継ぐ「屋台」じゃないラーメン「屋台とんとんラーメン」
練馬区石神井台。
西武池袋線・大泉学園駅の南口から徒歩15分ほど。石神井公園の端っこの富士街道沿いに赤い看板が見えてくる。「屋台とんとんラーメン」だ。
噂によれば「ラーメンショップ」(通称「ラーショ」)系と言われているが、謎の多いお店。
「ラーメンショップ」は1970年代~90年代頃にかけて、関東から東北・瀬戸内などに広がっていったフランチャイズチェーン。ロードサイドで大きな文字で「ラーメンショップ」と書かれた赤い看板を見たことがあるという人も多いだろう。1970年代からあったラーショだが、ラーメンの原点回帰ブームの動きからか、ここに来て再ブームの兆しだ。
この「屋台とんとんラーメン」は看板には「ラーメンショップ」の文字はないものの、赤い看板やラーメンのフォルムを見ると、ラーショそのものであるといえる。その真相も知るべく、食べに行ってきた。
建て直したばかりで店はピカピカ
ここは歴史の長いお店だが、2年ほど前に一度建て直して新しくなっている。店の中も清潔感があって整っている。店の裏には駐車場もあって便利だ。
L字型のカウンター席のみの小さなお店。厨房は広く、店主と弟子が二人で切り盛りしている。
ネギとチャーシューで作る山が美しい
ラーショといえば「ネギチャーシューメン」(並¥1050)。
ラーショのネギチャーシューメンは、チャーシューが丼の縁を囲むように置かれることが多いが、ここはネギを山にしてその周りを覆うように置かれる。ネギとチャーシューで作る山が美しい。
スープはライトな豚骨醤油でかなり食べやすい仕上がりだ。
このスープにネギに和えられた秘伝のタレが混ざっていくことにより、だんだんパンチが出てくる。これが美味しい。卓上のニンニクや豆板醤で味変するのもオススメだ。
丼と同じ青磁色のレンゲは超巨大。こんなに大きなレンゲは久しぶりに見た。
丼が浅めなのではっきり言って使いにくいが、これもまた個性だ。
手打ち麺に変更も可能
麺は中細のちぢれ麺で、かなりノスタルジックなイメージでこちらも食べやすい。
筆者は注文しなかったが、+100円で手打ち麺に変更できるようだ。これはなかなか珍しい。
さらに「カイワレラーメン」「納豆ラーメン」「コーンラーメン」という珍しいメニューもある。
ここは本当にラーショ系なのか? いよいよ気になってお会計の時に店主に質問をする。
まずは店名の「屋台」から。この店はもともと「屋台」だったのか?
「この店はもともと屋台のお店だったんですか?」
「いえいえ、店名だけです。屋台ラーメンをイメージしたラーメンということです」
「あと、ここはラーメンショップ系なんでしょうか?」
「もとを辿ればそういうことになりますね」
「ラーメンショップで修業された方がオープンしたということなんですか?」
「そんなこともなく、ラーメン屋は修業しなくたってできるんだよ」
確かにラーショはフランチャイズ契約をすれば修業しなくてもよかったのかもしれない。筆者の質問の仕方が悪く、確かな答えは得られなかったが、ラーショのDNAを受け継ぐお店であることは確認できた。
「屋台」という名前が付いているが「屋台」でもなく「屋台」出身でもなく、ラーショのDNAを受け継いでいる面白いお店である。ぜひチェックしてみてほしい。
屋台とんとんラーメン 石神井店
東京都練馬区石神井台2-29-34
※写真はすべて筆者による撮影
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