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11月の記録的な寒気 東京は寒さと乾燥続く

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
2013年11月19日 日本付近の雲の様子

九州の西に広がるすじ状の雲(黄色の丸で囲まれた部分)。小さな丸が連なったすじにも見えます。これは「オープンセル」といって、寒気が強いときにみられる雲です。

昨夜(18日)は島根県松江市で平年より17日早く、初雪が降りました。きょう(19日)は九州北部や四国の山間部で雪となり、一部では20センチ前後の積雪となりました。

初冠雪が観測された山

讃岐山脈(高松) 平年より28日早い

由布岳(大分) 平年より9日早い

天山(佐賀) 平年より17日早い

脊振山(福岡) 平年より19日早い

11月の記録的な寒気

この1か月早い初冠雪をもたらした強い寒気。福岡の上空5000メートル付近の気温はマイナス30.3度と、平年を10度以上下回りました。そもそも、11月のこの時期に、マイナス30度以下の寒気が九州まで南下することはとても珍しい。過去の記録を調べてみたところ、今回に匹敵する寒気は1988年と2002年の2回だけでした。

西回り寒気は寒さが厳しくなる

全国的に寒さが厳しいのかというと、そうではなく、きょう(19日)は西日本で雪が降っている一方で、北海道の札幌では雨が降りました。今回の寒気は西日本に流れ込み、その後、あす(20日)、あさって(21日)と、北・東日本へ移る予想です。このような寒気を「西回り寒気」といって、じわじわと寒さが厳しくなるパターンです。

2013年11月19日最低気温の平年差(気象庁)
2013年11月19日最低気温の平年差(気象庁)

一方、東京はスカイブルーの空が広がりました。日本海側で冷たい雨または、雪が降れば降るほど、東京の空は澄み渡ります。そして、今夜からは冷え込んでくるでしょう。あすの朝の最低気温は7度の予想です。このところ、冷え込みが弱まっていただけに、寒さが身にしみそうです。

東京は一層、乾燥する

もう一つ気をつけたいのが乾燥です。東京の湿度は23%まで下がりました。神奈川県や千葉県には乾燥注意報が出ていますから、まもなく東京地方にも今シーズン初めて、乾燥注意報が発表されることでしょう。あす(20日)の東京の最小湿度は25%の予想です。火の取り扱い、火事に注意することはもちろんのこと、乾燥で喉が痛みます。風邪にはご用心。

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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