クリミアの祈り:ジェノサイドと強制移住の歴史を知る(ロシアとウクライナ)
■クリミア問題:一線を越えたロシア
多くの政治評論家、軍事評論家が、同様の評価をしているようです。驚きの行動です。ウクライナからの独立、ロシアへの編入。すばやい行動です。欧米から強い批判の声が聞こえてきます。
でも正直言って、日本人にはなじみの薄い地域でしょう。みんなが見たソチオリンピックの舞台の隣なのですが、「クリミア」と聞いても、歴史上のクリミア戦争とか、クリミアの天使ナイチンゲールといった程度しかイメージがわきません。
ロシア人がたくさんいて、住民投票でみんながロシアの国の一部になりたいと言っているなら、それで良いのではないかと思ってしまいかねません。なぜ、みんなが怒っているのかわからないほどです。
■クリミア、ウクライナ、最近のニュース
○Yahoo意識調査「クリミアのロシア編入、認めるべき?」(3/23)
クリミア住民の意思を尊重して認めるべき:44.2%。
編入は認めるべきではない:33.7%。
○露、クリミアほぼ制圧…ウクライナ旗艦も接収:読売新聞 3月23日
○ロシアが1兆6千億円超請求へ 対ウクライナ天然ガス代: 47NEWS:2014/03/22
「ロシアはウクライナへの経済的圧力を強めることで、北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指す政策の放棄や、ロシア系住民が多いウクライナ東部への大幅な自治権付与などを求めていくとみられる。」
■『地の果てまで』:関心を持つこと
キリスト福音宣教会発行『地の果てまで』4月1日号では、「対岸の火事ではないクリミア紛争」として、この問題を扱っています。『地の果てまで』は、旧ソ連時代から不当な逮捕拘束をされた宣教師の情報などを報道してきました。紙面を読み、多くの人々が関心を持ち、たとえば投獄されている人宛に手紙を出します。そうすると、その手紙が本人の手に渡らないとしても、当局が無謀なことをしずらくなることが考えられるわけです。
多くの人々に関心を持たれているということは、その人を守ることにつながるでしょう。
■クリミアの民族
プーチン大統領は語っています。
前述の『地の果てまで』によると、クリミアの民族構成は、
ロシア人60%、ウクライナ人25%、タタール人12%、その他、「ユダヤ人、アルメニア人、ベラルシ人など様々な民族、言語、宗教が混在している」。
■クリミアの歴史
様々な民族と国が入り乱れ、クリミアの歴史は複雑です。『地の果てまで』4月1日号では、次のようにまとめています。
チンギス・ハーンの末裔であるクリミア・ハン国→オスマントルコ帝国の属国→エカテリーナ二世によりロシア併合。積極的な移民政策により、6割がロシア人に。→フルシチョフによりウクライナに帰属変更。
原民族だったモンゴル系のタタール人は、スターリンによってウズベキスタンやシベリアに強制移住。「過酷な環境のもと、数年以内にその半数が死に絶えたといわれている」。
ウィキペディアでは、こう記述されています。「ソ連政府はウクライナ在住のドイツ人やクリミア・タタール人などの追放を行った。独ソ両軍の進退によってウクライナの地は荒れ果てた。700の市町と、約2万800の村が全滅した」。
『地の果てまで』によれば、タタール人達は、かつてのソ連によるジェノサイド(大量虐殺、民族浄化)と強制移住により、ロシアに不信感を抱き、婦女子の国外脱出が始まっていると伝えられています。
移民政策、民族虐殺、強制移住の歴史。そして今回のロシアによる軍事行動。その状況下で行われた住民投票です。
■クリミアのために祈る
『地の果てまで』4月1日号は、ウクライナと同じ黒海沿岸の国アブハジア自治共和国の祈りを伝えています。この国も、タタール人、アルメニア人、ロシア人、ウクライナ人など、他民族による国家です。ここで、多様な民族と教派が入り交じった7つの教会の人々が集まり、涙と共に祈りが捧げられました。これまで一度もこのような人々による集まりはなかったそうです。
黒海周辺は、同じような事情の地域が多いようです。これまでの大国によるジェノサイドや民族抗争が繰り返されてきました。彼らにとっては、まさに他人事ではないのでしょう。
遠い国で、歴史も文化も知りません。友人もいません。高度に政治的な問題もあるでしょう。政治家や外務省が難しい交渉を行っていることでしょう。
庶民の私達は何ができるでしょう。
それは、祈ること、関心を持つこと、心配することだと思います。それは、ただの気休めではなく、私達が高い関心を持つことは、政治にも影響を与えます。そして真実の祈りは、行動を伴うことでしょう。
Pray for Japan. 「日本のために祈ろう」。あの日、世界は日本のために祈ってくれました。ウクライナも日本のために祈ってくれました。私達も、世界のために、ウクライナのために、クリミアのために祈りたいと思います。
ウクライナ外務省当局者は「ウクライナは放射能汚染を克服した経験があり、日本に専門家を派遣することを提案した」(日本経済新聞.2011年3月13日)
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3.11祈りの意味と力:東日本大震災から3年の「Pray for Japan」:Yahooニュース個人「心理学でお散歩」
真実の祈りは行動を伴う。真実の行動は祈りを伴う。祈ることは忘れないこと。