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気軽に多拠点生活を実現! 「温泉宿を別荘として使い倒す」という考え方

高橋一喜温泉ライター/編集者

ここ数年で「二拠点生活=デュアルライフ」「多拠点生活」という言葉をよく見聞きするようになった。筆者のまわりでも実際に実行しているという話をちらほら聞く。

テレワークなどで働き方が多様化したことにより、それに合わせたライフスタイルを柔軟に考える人が増えているように感じる。

多拠点生活だけでなく、ワーケーションや移住なども、その延長線上にあるといえよう。

別荘は敷居が高い・・・

多拠点生活は、文字どおり生活の拠点を2つ以上もつことである。

たとえば、平日は都市部で働き、週末は地方の拠点へ移動して余暇を楽しむ、というように2つ以上の拠点を行き来する。

仕事や働き方にもよるが、旅をするように働く人もいるだろう。

ひと昔前で言えば、「別荘」が多拠点(二拠点)生活に当てはまる。

ただ、別荘の場合は「避暑を目的としたワンシーズンのみ」といった利用形態が多く、実際オフシーズンの別荘地は人がいなくて閑散としている。

また、「別荘」はそれなりに裕福な人がもつというイメージも強い。実際、別荘を建てて管理するだけでも大変な金額が必要になる。一般人には手が出ないというのが現実であった。

だが少し発想を変えれば、ずいぶんと敷居が下がる。

温泉宿を活用するのである。

もちろん、温泉宿ではなくホテルなどでもいい。

とにかく自分のお気に入りのエリアに「定宿」となる拠点をもつのだ。

「温泉ワーケーション」は疑似二拠点生活

筆者は「温泉ワーケーション」なるものを実践している。

「温泉ワーケーション」は、温泉地に連泊(理想は1週間以上)で滞在しながら、仕事と休暇を両立させるライフスタイルである。

普段は都市部で働く一方で、まとまった期間、テレワークを駆使しながら地方の温泉地で過ごす。舞台は温泉地の旅館やホテルとなるが、やっていることは二拠点生活とさほど変わらない。

地方にいくつかのお気に入りの宿があり、季節や気分に合わせて滞在する温泉旅館を決めている。まさに多拠点生活である。

まずは「定宿」探しから

いきなり長期滞在が難しいなら、自分のお気に入りの温泉宿を見つけて、定期的に滞在してもいいだろう。いわゆる「定宿」を別荘として活用し、第二の拠点とするのである。

金銭面でも、本格的な二拠点生活をするよりリーズナブルだ。別荘や部屋を借りれば毎月一定額が出ていくが、温泉宿の場合は当然ながら宿泊費だけで済む。湯治宿などリーズナブルな宿であれば、ちょっと長めの旅行くらいの費用で足りるだろう。

また、二拠点生活の場合、想像以上に「移動」が大変だ。身体的にも精神的にも負担が大きい。

毎週末もうひとつの拠点で過ごすつもりでいても、だんだんと移動すること自体が億劫になりかねない。これでは放置された別荘と変わらない。

定宿の場合は、気が向いたら出かければよいので、気分もラクだ。

二拠点生活や多拠点生活に興味があるなら、まずは「定宿探し」から始めてみてはいかがだろうか。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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