お盆にイチオシ!鈴懸さんの「五色玄米のぼた餅」で五供も五如来幡も交えた日本の伝統を美味しく学ぶ
お盆のお墓参り。暑い中腰を上げるのは億劫ではありますが、お墓を洗って綺麗にしたり家族揃ってのお出かけと一緒にというご家庭もあるのではないでしょうか?
日本特有の文化でもあるお盆には、それはそれは豊かな地域差が沢山!そのひとつとして、ご先祖様にお供えするご供物上げられます。お墓参りの際には、烏や虫、害虫対策として個包装のお菓子などをご持参なさる方も多いと思いますが、お仏壇へのお供え物はいかがでしょうか?毎年朝早くから一汁三菜、もしくは五菜のお膳を誂えてもらえるというなんとも羨ましいご先祖様もいらっしゃるかと思いますが、酷暑の台所というのはなかなか辛いものがありますよね。
そんな時和菓子ソムリエでもある私がおすすめしたいのが、雑穀を使用したおはぎ!(本来ならば夏は夜舟というのですが、そこを語ると膨大な長さになるので泣く泣く割愛。)
と申しますのも、お盆には五供(香・花・灯・浄水・飲食)や五色幡といった陰陽五行説から五に由来する事柄が多く、そのため一汁五菜というお膳もあるほど。
また、立秋を迎えいよいよ秋の収穫に向けて本格的に色づく作物を無事に収穫できますようにという五穀豊穣の願いを込めて、五穀をお供えする地方も。したがって、今回はそれだけで五穀や五供をまかなえてしまえるような、鈴懸さんの王道の「粒あんのぼたもち」と「五色玄米のぼたもち」をご紹介。
粒感と皮立ちがしっかりと残るような粒餡と糯米の滑らかさの対比が面白い。かといって糯米が滑らかすぎるかといわれたらそうでもなくて、仄かにざらりと舌先に感じる挽き割り(精米して水洗いしてから好みの粗さに挽いたもの)糯米の甘味や旨味、ふくよかさがじんわり、それでいて強かに伝わります。
あんこがメインのぼた餅もありますが、こちらの場合は羽二重餅の存在感を満喫しながら、十勝産小豆の素朴な風味も感じられるぼた餅です。
五色玄米のぼた餅は、一口目から食感が楽しい!もちもちとした心地よさは勿論のこと、ぽりぽり、や、ぷちぷちとした雑穀ならではの食感の魅力が満載!糯米の粒を綺麗に保ったまま炊かれているので、その見た目も楽しめるように中に粒あんをたっぷり閉じ込めたスタイル。粒餡もふくめ、素材そのものの優しい旨味やほんの少しの野趣に富んだ後味がたまりません。
五穀玄米といいますと、やはり健康志向というイメージが強い食材ではありますが、こういったその季節ならではの由来も一緒に楽しんでいただけたらと思います。ご先祖様も、いつもと一味違ったおはぎにびっくりしちゃうかも?
<鈴懸・本店>
公式サイト(外部リンク)
福岡市博多区上川端町12番20号ふくぎん博多ビル1F
092-291-0050