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リリーバーの契約総額ランキング。ヘイダーが1億ドル以上の契約を手にすれば、リリーフ投手史上2人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョシュ・ヘイダー Aug 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフのFA市場に出たなかで、すでに新たな契約を得た選手を含め、ジョシュ・ヘイダーは、最高のリリーフ投手だろう。

 ここ3シーズンのうち、2022年の防御率は5.22ながら、2021年と2023年の防御率は1.30を下回った。シンカーとスライダーを7:3あるいは8:2の割合で投げ――チェンジアップはごくわずか――与四球率は3シーズンとも3.65以上ながら、奪三振率はいずれも13.55を超えている。

 3シーズン続けて30セーブ以上を挙げ、セーブ成功率は85%以上。このスパンの計103セーブは、計110セーブのエマニュエル・クラッセ(クリーブランド・ガーディアンズ)と計108セーブのケンリー・ジャンセン(ボストン・レッドソックス)に次ぎ、トータルのセーブ成功率91.1%は、計10セーブ以上の82人中、誰よりも高い。年齢は、2024年の開幕直後に30歳の誕生日を迎える。

 昨年末、ジ・アスレティックのジム・ボウデンは、CBSスポーツHQに出演し、ヘイダーについて、こう語った。「エドウィン・ディアズを凌ぐ契約、5年1億ドル以上を求めていて、今のところ、そこまで出そうとしている球団はない。けれども、ニューヨーク・ヤンキースとテキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・ドジャースの3球団は、彼に興味を抱いている」

 昨オフ、ディアズは、ニューヨーク・メッツと5年1億200万ドル(2023~27年)の契約を交わした。ボウデンは、シンシナティ・レッズとワシントン・ナショナルズでGMを務めたことがある。

 これまでに、総額4500万ドル以上の契約を手にしたリリーフ投手は、見落としがなければ、以下の延べ15人だ。総額1億ドル以上どころか、総額9000万ドル以上も、ディアズ以外にはいない。

筆者作成
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 ボウデンの言うとおり、ヘイダーが総額1億ドル以上の契約を望んでいるとしても、それを実現させるのは難しいかもしれない。

 ヤンキース、レンジャーズ、ドジャースのいずれも、ヘイダーやかつてのアロルディス・チャップマン(現FA)のような大物ではないものの、クローザーが不在というわけではない。それぞれ、クレイ・ホームズホゼ・ルクラークエバン・フィリップスを擁する。ボウデンも「3球団とも、クローザーよりも先発投手を欲しがっている」と続けている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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