日本とメジャーで異なるベースの素材と硬さ。韓国は?

先日、在京球団の広報部に勤務する元プロ選手からこんな質問をされた。
「日本とアメリカでは使っているベースが違いますが、韓国はどうですか?」
野球規則によると1、2、3塁のベースは4辺の長さがそれぞれ15インチ(38.1cm)の四角形と規定されていて、どのリーグでも同じ規格だ。しかし各リーグで同じベースを使っているわけではない。この元選手は「日本のベースは角があるが、アメリカのはない。材質も違う」と話す。
日本(NPB)とアメリカ(MLB)のベースの違いについて、NCダイノスで球場管理を担当する企業文化チームのユン・ソクチュン氏は「日米ともにベースの外側の高さは同じだが、日本製のベースは中央部分が膨らんでいて軟らかい。また日本製は表面が滑らかだがアメリカ製は格子状になっている」と説明した。
NCが今季まで使用したマサン(馬山)球場の場合、球団創設1年目の2012年には日本製(ミズノ)を使用。翌13年からアメリカ製を採用しているという。ユン氏は選手の反応として「日本製は雨が降ると少し滑るという声があった。また踏むと少しへこむ日本製に対してアメリカ製は硬くて足が沈む感覚はほとんどないという。どの選手もアメリカ製に替えた当初は多少違和感があったが、今ではアメリカ製の方に慣れている」と話した。
現在、韓国KBOリーグでは全球場でMLBと同じアメリカ製のベースを使用している。一方、NPBでのベースの選定は球団や球場に任されているがほとんどの球場で使われているのが日本製だ。
以前に比べて野球の国際化が進む中、世界の各リーグが同じベースを使うべきという考え方もある。しかし日米韓のほか台湾でもプレー経験のある小林亮寛氏(コビーズベースボールワークアウトスタジオ代表)は、「ベースの違いをあまり気にしたことがない」という。どの国、どのメーカーのベースを使うかは選手の使用感よりも、「価格や耐久性など施設運営上によるところが大きい」とユン氏は話す。
普段はあまり注目されることのないベースの違い。しかし今年はこんなことがあった。
MLBで活躍するエンゼルスの大谷翔平が走塁中に1塁ベースの隅を踏み、左足首を捻挫した場面だ。これについてアメリカの一部メディアでは「(MLBの)ベースの高さや硬さが問題ではないか」という意見が挙がったという。この場合、ベースの問題というよりも大谷に対する高い関心の表れだろうが、「どんなベースが最適なのか」という問題提起にはなっただろう。
同じ種目ではあるがリーグによって小さな違いにあふれているプロ野球。その中にベースの違いもあると、今回改めて感じた。
※本記事は筆者がスポーツ朝鮮に韓国語で寄稿したコラムを、スポーツ朝鮮の承諾を得て日本語で再編集して執筆したものです。