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広域で雷雨に注意!雷の音が聞こえたら高い建物から離れる?離れない??やりがちなNGを気象予報士が解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
2日11時の雨雲の様子(気象庁HPより)。黄色の四角は落雷、×印は雷放電を示す。

2日は東海・関東甲信・北陸・東北の広範囲で雷雨が予想され、突然の激しい雨や落雷、突風、さらにはひょうにも注意が必要です。

太陽の光を通さないような分厚い黒っぽい雲が近づいてきたり、雷の音が聞こえたりしたら、危険な現象が起きるおそれがあるため安全な場所に移動していただきたいのですが…、安全な場所ってどんなところでしょうか。
高い建物からは離れる?離れない…??

上空に強烈な寒気が流入

2日昼過ぎの発雷確率(気象庁データを元に作成)。
2日昼過ぎの発雷確率(気象庁データを元に作成)。

2日は北陸に近づく低気圧の上空に、この時期としてはかなり強い寒気を伴っていて、大気の状態が非常に不安定になりそうです。
大気の状態が不安定になると積乱雲が急速に発達しやすく、その結果、バケツをひっくり返したような雨が急に降り出したり、雷が落ちたり、さらにはひょうが降ってきたり、竜巻などの突風まで発生することがあります。


2日は特に北陸や東北日本海側で危険度が高くなってはいますが、東京都心や千葉・仙台を含め太平洋側でも注意が必要です。

高い建物から離れるのはNG

雷のイメージ(出典:Canva)
雷のイメージ(出典:Canva)

雷が地上に落ちる際は、高い場所に優先的に落ちる性質があります。
ただ、日本の建築基準法では高さ20メートルを超える建物には避雷針の設置が義務づけられているので、基本的に4階以上の建物であれば避雷針が設置されていて、その建物のそばにいれば避雷針に守ってもらえることになります。
つまり高い建物から離れるのはかえって危険。
周りが開けた場所よりも、高い建物の近くの方が安全というわけです。

ちなみに、建物の近くよりも建物の中の方がもっと安全なので、できれば雨やどりも兼ねて丈夫な建物(プレハブやログハウスではないという意味)の中に入るようにしましょう。

安全な場所が近くにない場合は?

グラウンドやキャンプ場、そしてゴルフ場のような開けた場所は、周りに高い建物がありません。
この場合、「立っている人」が一番高い場所になってしまい、人に落ちる危険性が増します。
そのため、雷の音が聞こえている時や、雷注意報が出ている間は、そういった開けた場所から離れて、前述の安全な場所へ移動しましょう。

ただ、万が一そういった場所にいる時に雷が発生したら、しゃがんで体を低くし安全姿勢を取りましょう。
ポイントは、
▼頭を抱えるようにして下にかがめてできるだけ低くする
▼もし雷が落ちても鼓膜を守れるよう両手で耳をふさぐ
▼足の両かかと同士を合わせてつま先で立つ
です。
最後の足に関するポイントは、もし雷が地面に落ちてその電気が足から進入しても、両足がくっついて1本になっていたら、上半身まで流れず地面へUターンさせることができるから。また、つま先で立つのは地面との接点を可能な限り小さくするためです。

今回の雷雨は長引く!

今回、日本の上空にやってきている寒気は、このさき4日(火)頃まで各地で雷雨になりやすい状況をつくります。
危険なエリアは2日と同様、東海・関東・北陸・東北の広い範囲で、3日(月)と4日(火)は特に東海と関東甲信で竜巻やひょうを含めた激しい現象が起きやすくなりそうですから、十分に注意をして過ごしてください。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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