341本塁打の三塁手がトレード拒否権を行使しない6球団のなかには、9年連続負け越しのエンジェルスも
ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)の契約には、全球団に対するトレード拒否権がついている。
ただ、MLB.comのジョン・デントンによると、ロサンゼルス・エンジェルス、ロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレス、フィラデルフィア・フィリーズ、ニューヨーク・メッツ、ボストン・レッドソックスの6球団に関しては、トレードがまとまった場合、アレナードは、拒否権を行使せずに移籍を受け入れるという。他の球団についても、拒否と決まっているわけではないと思われる。
この6球団中4球団は、2024年のポストシーズンに進んだ。あとの2球団のうち、レッドソックスは81勝81敗なので、負け越したのは63勝99敗のエンジェルスだけだ。2016年以降、エンジェルスは9シーズン続けて負け越している。
また、この6球団以外を含め、エンジェルスは、どこよりも長くポストシーズンから遠ざかっている。最後のポストシーズン進出は2014年だ。ちなみに、レッドソックスの「ブランク」の長さは、その3分の1に満たない。2021年にワイルドカードをゲットした。
今オフ、エンジェルスは、アトランタ・ブレーブスからホルヘ・ソレーアを獲得し、FA市場に出ていた菊池雄星を迎え入れるなど、補強を施している。とはいえ、来年のポストシーズンに進めるかどうかは、不透明だ。
にもかかわらず、アレナードがトレードを受け入れる6球団にエンジェルスが含まれているのは、出身地が理由だろう。アレナードは、南カリフォルニアで生まれ育った。その場所は、ドジャースとパドレスよりも、エンジェルスの本拠地に近い。
アレナードは、これまでの12シーズンに341本のホームランを打ち、三塁を守ってゴールドグラブを10度受賞している。年齢は、来年4月で34歳だ。近年のスタッツからすると、攻守ともに全盛期を過ぎているとはいえ、まだレギュラーとしてプレーすることはできそうだ。
アレナードは、エンジェルスにフィットするように見える。三塁にはアンソニー・レンドーンがいるものの、ここ4シーズンとも100試合以上に欠場している。それに加え、アレナードは、一塁手としても出場可能だ。ジ・アスレティックのケイティ・ウーによると、トレードだけでなく、三塁から一塁へのポジション変更も受け入れる用意があるという。一塁手のノーラン・シャヌエルは左打者、アレナードは右打者だ。ノーラン&ノーランのプラトーン起用となり得る。
なお、アレナードがドジャースへ移籍した場合の内野については、今月初旬にこちらで書いた。