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日本代表に同国出身者がたくさん。敗れたトンガ代表の思いは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
トンガ代表はラインアウトで苦戦。(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 8月3日、大阪・東大阪市花園ラグビー場。トンガ代表が国際大会のパシフィック・ネーションズカップ(PNC)の2戦目で日本代表と対戦した。7―41と大敗した。試合後はトウタイ・ケフヘッドコーチ、シアレ・ピウタウキャプテンが会見。2人は日本でのプレー経験がある。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ケフ

「残念です。ラインアウトで失敗しましたし、しっかりとした最初のラグビーができませんでした。特に前半たくさんのエラーをし、ボールを保持できませんでした。2つのキックも外しました。いいことがなかったので残念です」

ピウタウ

「タフな試合になることも、日本代表のスピードも初めからわかっていました。そのため相手のスピードダウンを試みましたが、うまくいきませんでした。プラン通りにプレーできなかった。あまりにもエラーが増えすぎました。この試合から学ぶことは多いです。次の試合に活かしたいです」

――PNC前節のサモア代表戦から先発大きく変わった。9月からのワールドカップ日本大会ではどちらが主力になるのか。

ケフ

「おそらく(本番では)4名の選手が外からスコッドに入ります、怪我があって出られない選手がいました。それ以外のスコッドはほとんど(ベストメンバーだ)」

――ミスが重なったこと、ゲームプランを遂行できなかったことの理由は。

ピウタウ

「日本が我々のセットプレーにかなり圧力をかけてきた。ディフェンスでもかなりプッシュしてきた。きょうの試合は学ぶことが多かった」

――日本代表の防御の印象は。

ピウタウ

「私の経験から言うと、日本代表は非常に防御ラインが攻撃的。きょうもそうでした。非常に圧力をかける、スキルのある選手が多いです。ラインスピードもあります。私たちが頑張ってきたスキルもプランも遂行できず、本当に残念に思います」

――暑かった。影響は。また、日本代表にトンガ出身選手が多いことについてどう思うか。

ピウタウ

「前回の試合をしたサモアも暑かったが、今週、日本でトレーニングをしてコンディショニングは厳しいだろうなと思っていました。ただワールドカップに向け、フィットネス(強化を)含め、役に立った(トンガ代表はワールドカップ期間中、花園で2試合を実施)。試合当日までにコンディショニングを合わせることは重要。

 日本代表のトンガ人選手が好調なのは、彼らの家族のことを思えば嬉しいことです。それは彼らが日本代表だろうとトンガ代表だろうとです。本当によく育っています」

 家族への思いが強いとされるトンガ人選手。相手国の同胞へも変わらぬエールを送っていた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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