今シーズンのトレンド!? 和田毅が白星を挙げた試合に投げた2人を含め、2日間で野手6人がマウンドへ
和田毅(シカゴ・カブス)が今シーズン初勝利を挙げた6月17日の試合で、2人の野手が登板した。
カブスが10対0とリードして迎えた9回表、すでにブルペンから6投手を起用していたクリーブランド・インディアンスは、DHとして出場していたライアン・レイバーンをマウンドへ送った。レイバーンは2013年にも登板していて、その時は3者凡退で1イニングを抑えている。だが、この日はコントロールが定まらず、2死一、二塁として、5人目の打者にボール球を2球続けたところで交代した。
続いて、デビッド・マーフィーがレフトからマウンドへ走ってきた。こちらも2013年に投げたことがあり、1イニングを1安打無失点で切り抜けている(レイバーンとは別のチーム、別の試合)。レイバーンを引き継いだマーフィーは、1球を投げただけで二塁ベース後方へのフライに討ち取った。ところが、これを遊撃手のフランシスコ・リンドーアが捕り損ねる。マーフィーはそこから、ヒット、四球、死球に続いてクリス・ブライアントにグランドスラムを叩き込まれ、次の打者のセンターフライで、ようやくイニングを終わらせた。
今シーズンに登板した野手は、レイバーンとマーフィーを含め、11人を数える(6月17日時点)。2014年は17人の野手がマウンドに立った。しかしながら、1990年7月20日の試合でモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)の野手2人、デーブ・マルティネスとジュニア・ノボアが登板したのを最後に、1991年から2014年まで、同じ試合で野手2人が投げたチームはなかった。
ただ、レイバーンとマーフィーは、25年ぶりの椿事とはならなかった。彼ら2人が投げた前日には、タンパベイ・レイズの野手2人、ジェイク・エルモアとニック・フランクリンが登板した。こちらは、エルモアが2013年以来の2登板目で、フランクリンはメジャーリーグ初登板。8回表と9回表に1イニングずつを投げ、どちらもウィルソン・ラモス(ナショナルズ)に本塁打を打たれた。
また、6月16日と17日は、別の試合でも野手が投げた。16日はジェフ・フランコーア(フィラデルフィア・フィリーズ)、17日はアレクシー・アマリスタ(サンディエゴ・パドレス)がそれぞれメジャーリーグ初登板を果たした。ESPNのジェイソン・スタークによれば、エルモアとフランクリン、フランコーアの前に、野手3人が同じ日に登板したのは、1979年8月29日の試合でミルウォーキー・ブルワーズのサル・バンドー、ジム・ギャントナー、バック・マルティネスが投げて以来だという。2日続けて野手3人ずつが登板した例についてはスタークも触れておらず(1918年には野手4人が同じ日に投げたことがあるという)、こちらで調べた限りでも見つからなかった。
加えて、エルモアとフランクリンが投げた6月16日の試合では、投手のジョー・ロス(ナショナルズ)が9回表に、DHの代打として打席に入った。マウンドには野手のフランクリン、打席には投手のロスという、役割がひっくり返った対戦の結果は三塁フライだった。
レイバーンとマーフィーと投げた試合の前には、こんなこともあった。インディアンスのリリーフ投手たちが、クリーブランドのボーイズ&ガールズ・クラブに12台のiPadを寄贈した。これは、彼らがチームメイトの100号ホームランボールを誘拐した事件の続き(詳細は「ホームランボールを捕って、Apple製品をもらおう!!」と「記念ボール誘拐事件に模倣犯現る」)。ペイ・イット・フォーワード(恩送り)というわけだ。この日に救援登板した6投手は全員、ホームランボール誘拐事件に関わっていた。