クローザーとクローザーを交換!? 前年に30セーブ以上の2人がトレードでチームを入れ替わった
7月30日、前年に30セーブ以上を挙げた2人、ロベルト・オスーナとケン・ジャイルズが、トレードでチームを入れ替わった。オスーナはトロント・ブルージェイズからヒューストン・アストロズへ。ジャイルズは2投手とともに、アストロズからブルージェイズへ移籍した。
昨シーズン、オスーナは39セーブを挙げ、ジャイルズは34セーブを記録した。2人はクローザーとして、今シーズンの開幕を迎えた。オスーナは4月10日に、史上最年少で通算100セーブに到達した(それについては「23歳のクローザーが通算100セーブの最年少記録を更新。29歳のクローザーも最年少の300セーブ目前」で書いた)。
だが、オスーナは5月8日に女性に対する暴行容疑で逮捕され、その後、ドメスティック・バイオレンスなどの規定に違反したとして、75試合の出場停止処分を科された。一方、ジャイルズは7月11日にAAAへ落とされた。この時点の防御率は4.99。7月10日の登板では、最初の打者からヒットを3本続けて打たれ、交代を告げに来たA.J.ヒンチ監督に向かってかどうかは不明ながら「ファック・ユー」と口走った。
2人をスワッピングした、両球団の思惑はこうだろう。
オスーナの処分は8月5日に明ける。クローザーとしての力量はジャイルズをはるかに凌ぎ、薬物違反で出場停止となったロビンソン・カノー(シアトル・マリナーズ)と違い、今年のポストシーズンに出場できる。8月1日に出廷して有罪となれば事情は変わってくるかもしれないが、オスーナは無罪を主張するつもりのようだ。
ジャイルズはAAAの6登板でも5点を失っているが、復活の可能性はある。23歳のオスーナほど若くないとはいえ、まだ27歳。オスーナと同じく、ジャイルズもFAになるのは2020年のオフだ。ブルージェイズは2人のドミニカン右腕、24歳のデビッド・ポリーノと22歳のヘクター・ペレスも手に入れた。
なお、このトレードで動いた4人のなかで、長期の出場停止を経験しているのは、オスーナだけではない。ポリーノは薬物検査の陽性反応により、昨年7月に80試合の出場停止処分を科された。