自律神経失調症の4つのタイプと「見逃すと危険」なストレスサインとは!?
こんにちは、精神科医しょうです。
病院を受診してもどこも悪いところがないのに、慢性的な疲れや肩こり、めまい、頭痛などで、常に体の調子が悪い…という方が多くいらっしゃるかと思います。
そのような不調の中には「自律神経失調症」と言われる疾患が隠れているかもしれません。治すためには心と体の調子を整えることが必要です。
まずは自分の心身の不調に気づき、自分に合ったライフスタイルや治療方法を見つけることから始めてみましょう。
今回は「自律神経失調症」のストレスサインと4つのタイプついて、解説したいと思います。
「自律神経失調症」が引き起こす心身の不調とは?
ストレスなどにより、自律神経のバランスが乱れると心身にさまざまな不調を引き起こします。
自律神経は全身に張り巡らされているため、ある部分が不調をきたすと一見、関連性のないところにも影響を及ぼす恐れもあります。
症状が出やすい部分ごとに見てみましょう。
・頭
頭痛やめまい、立ちくらみを感じることがあります。
・目
眼精疲労やまぶたのけいれん、目の乾燥などを起こすことがあります。
・消化器
慢性胃炎、神経性嘔吐、下痢、食欲不振などの症状が表れます。
・筋肉
筋肉痛、肩こり、腰痛の症状が出やすくなります。
・全身
微熱、だるさ、倦怠感を感じます。
表れる症状を放置していると、少々の休息では解消できなくなり、日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。
また、無理に抑え込んでしまうと疲れや痛みに鈍感になり、気が付いたら大きな病を発症しているということも…。
不調を感じたら放置せず、医療機関を受診するなどして、早めの対策を取るようにしましょう。
「自律神経失調症」のストレスサインとは?
ストレスの感じ方には個人差があり、一概にどのストレスが悪いとは言い切れません。
自分にとって苦手だと感じる刺激を理解し、対処することでストレスと上手く付き合っていけるのではないでしょうか。
心身に表れるストレスサインとしては「行動面」「身体面」「精神面」の3つに分類することができます。
・行動面
問題行動を起こすことが増えます。たとえば、攻撃的になった。無気力で遅刻や欠勤が増えた。アルコールやたばこの量が増えたなどが目立つと要注意です。
・身体面
体に不調が表れます。たとえば動悸や頭痛、腹痛、不眠や食欲不振、疲労など先述した自律神経症状が当てはまります。
・精神面
心に不調が表れます。過度の不安を感じたり、イライラしたり、気分が落ち込みやすくなったりするため、感情のコントロールが難しくなります。
自律神経失調症の4つのタイプとは?
自律神経失調症は表れている症状や程度により、以下の4つのタイプに分けることができ
①本態性自律神経失調症
自律神経の調整機能が乱されやすい体質を持っているため「いつも調子が悪い」「体のあちこちに具合が悪いところがある」という悩みを抱えている方が多く、虚弱体質や低血圧などの症状を持つ人に見られます。
日常生活のストレスが発病にあまり関係していないのもこのタイプの特徴です。
②神経症型自律神経失調症
不安や恐怖、心配など心の持ち方が影響し発症する傾向があります。
どちらかと言うと、体の不調には気付きやすいタイプのため、医療機関を受診し検査などこまめに受ける方ですが「異常なし」の結果に対しても「もしかしたら、大きな病が隠れているかもしれない」と心配しがちです。
このタイプは、感情や自身の気質や性格が体に作用してさまざまな不調を引き起こしてしまうと言えるでしょう。
③心身症型自律神経失調症
自律神経失調症を患った人の約半数に見られるタイプです。
日常生活のストレスから起こるもので、症状の出方も重さもストレスの程度によってまちまちです。
「寝食を忘れて働く」「休んではいけない」など偏った人生観やライフスタイルのゆがみからストレスを抱え込み、自律神経に不調をきたしていることが多いタイプだと言えます。
④抑うつ型自律神経失調症
ストレスが慢性的に蓄積し、うつが原因で起こります。
うつによるさまざまな不調により「喜びや実感がわかない」「気分が沈む」「ときどき死にたくなる」などの気分障害が表れます。
医療機関を受診する目安とは?
不快な症状を自覚してはいるものの、体が動き生活ができるので医療機関を受診するほどでもない…と思っている方は少なくないのではないでしょうか。
そこで、医療機関を受診する目安についてお伝えしたいと思います。
今ある自律神経症状を自分でコントロールできなくなったら、医療機関を受診し適切な治療を受けるタイミングだと言えます。
もちろん、不快に感じている時点ですぐに治療を受ければ、症状を長引かせずに済みます。
まとめ
今回は自律神経失調症についての知見を深めました。
自律神経失調症にならないためにも、まずは自分に表れているストレスサインにいち早くきづき、対処することが大切です。
くれぐれも無理をせず、早めの受診を心がけましょう。
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