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バイデン政権と中東(2)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

もう一つ。2016年、ヒラリー・クリントンが負けたのに、2020年にジョー・バイデンが勝ったのは、バーニー・サンダースが支持したからですよね。2016年もバーニー・サンダースは民主党の指名を求めて、最後まで争いました。だが結局ヒラリーに負ける。今回も結局は負けたのですが。違いがありました。2016年の選挙の時は民主党の組織をヒラリーが押さえていて、あまり人が見ない時間に討論会をやるとか、討論会の数を削るとか、何かもう裏から仕組んでバーニー・サンダースが負けたという感覚を多くの人が受けました。もちろん、バーニー・サンダースも、バーニー・サンダースの支持者も、そう思ったわけです。だからバーニー・サンダースは一応、ヒラリー支持と言ったのですが、全然心がこもっていなくて、彼の支持者は11月の本選挙では選挙に行かなかった方が多かったですよね。「ヒラリーなんかに入れるもんか」と。で、選挙に行った人はトランプに入れたんですよね。ヒラリーの、貧乏人の代表みたいな顔をしてウォールストリートの1回の講演で何百万円も謝礼をもらっている。あんな女なんか絶対に許さない。リムジンに乗った民主党員なんか許さないという人が多かった。今回はバーニー・サンダースが好きとか嫌いとかの問題じゃなくて、トランプにもう一回やらせるわけにいかないだろうと。ぜひ選挙に行ってトランプを落としてくれ、とバーニー・サンダースが支持者にうったえました。 サンダースに言わせれば、ジョー・バイデンとは意見は違う。いろいろあると。俺は勝ちたかったけど、アイツが勝ったと。それは残念だけど、ジョー・バイデンというのはまともな奴だと。そういうことを訴えた。それがやはり大きかったと思います。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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