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今からが適期。農薬を使わない土壌消毒、寒起こしをやってみよう!

グロ子園芸愛好家 / FPライター

こんにちは、園芸愛好家のグロ子です。
寒起こしのシーズンがやってきました!
寒起こしとは農薬を使わずにできる、コストのかからないお手軽な土壌消毒です。
土もフカフカになるんですよ!
今からが適期、1月後半から2月にかけて行う土の寒起こしをご紹介します。

寒起こしとは何ぞや?

寒起こしとは厳寒期の低温を利用して行う土の消毒。
寒ざらしとか天地返しと呼ぶ地方もあります。

寒起こしはもともとは農家さんが畑でやる作業。
シャベルや耕運機で土を40cmくらい掘り起こし、深くにあった土を表面に出して寒気にさらします。
土を寒さにあてるだけで、害虫や病原菌を死滅させることができるのです。

これを家庭菜園や庭でも規模を縮小して取り入れましょう。
一年で一番低くなる気温を利用しておこなう寒起こしは、薬品を全く使わずに土の中の病原菌や害虫を退治できる、冬しかできない貴重な土壌消毒のチャンスなのです。

簡単寒起こしで害虫退治

植物が植えられていない場所、掘っても植物の根に影響を与えないような場所の土を、スコップで深く掘り返します。
掘れる深さも限界があるとは思いますが、20cmを目標にしましょう。
広く掘り返すことができなくてもかまいません。
たとえピンポイントであっても、深く掘り起こし、地中の固まった土を表面に出します。

土の表面は冷たくても、地中はある程度の温度があります。
土を掘り返していると、謎の幼虫が冬眠していてびっくりします。
深い部分の土と表面の土を入れ替えて寒気にさらしましょう。
それだけで害虫退治と病原菌の殺菌を行うことができるのです。

表面の寒気にあてる
表面の寒気にあてる

茶色のツヤッとした蛹がたくさん出てきませんでしたか?
それは冬越ししているヨトウムシです。
ヨトウムシは野菜であれ花であれ、一晩で苗がなくなるくらいの食害をおこします。
寒起こしをするかしないかで春からのヨトウムシ被害が変わってきます。
狭い場所であっても寒起こしをしておきましょう。

寒起こしで土がフカフカに

掘り起こすことによって当然土に空気が含まれますが、これはどの季節にも言えること。
寒起こしには厳寒期ならではの利点があります。
掘って出てきた土の塊をいちいちほぐさなくても、勝手にほぐれていくことです。

明け方の一番気温が下がる時期に地表の土は凍ります。
霜柱とまではいかなくても、土の表面が細かい氷で白くなっているのがその現象です。
土の水分は凍ると膨らみ、朝日があたると元に戻ります。
この現象が繰り返されると、地中から出てきた堅い土の塊が勝手にスポンジ状に柔らかくなります。

凍る溶けるを繰り返す
凍る溶けるを繰り返す

一週間もすると、堅い塊だった土が、つつけば崩れるくらいに脆くなります。
他の季節ならいちいちスコップで細かくしていた土の塊も、厳寒期なら掘り返すだけでフカフカになるのです。

空きプランターや土のストックにも寒起こし

私は何も植えてないプランターバッグの土や、土入れに入れている土にも簡単に寒起こしをしています。
手入れした土を入れていても、いつの間にか害虫は卵を産み付けています。
最近は冬でも年内は気温が高いので、害虫の活動期間や産卵期間も長くなっている。
農薬を使いたくない私にとって、スコップで土を掘り起こすだけでできる寒起こしは、本当にありがたい昔からの知恵です。

寒起こしは1月後半から2月いっぱいの一ヵ月余りが適期となります。
今年は暖冬だから関東以北であっても、雪のない地域なら充分可能です。
スコップだけでできる寒起こし、空き時間に少しずつやるだけで効果がでます。
春に向けてぜひやっておきましょう。

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園芸愛好家 / FPライター

花、野菜、盆栽、コンポスト、ありとあらゆる植物系お稽古事をやり尽くした園芸歴30年のFPライターです。私の強みは自分で実際に経験した幅広い園芸ネタ。FPとしてコスパよく園芸を楽しむコツもお伝えします。コキア友の会代表(会員私だけ)

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