イスラエルとパレスチナの2国家解決策について話し合うために、中東・北欧・ベネルクス諸国の外相が集まった会議がノルウェーの首都オスロで開催された。
記者会見には国内外の記者が多く集まり、注目の高さが伝わってきた。
会談に参加したのはヨルダン、パレスチナ、サウジアラビア、トルコの外相、カタールの首相、デンマーク、アイスランド、スウェーデン、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクの外相、フィンランドの国務長官、イスラム協力機構の事務総長。
記者会見にはパレスチナ自治政府(PA)のリヤド・アル=マリキ外相、ヨルダンのアイマン・サファディ外相、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル=サウド外務大臣、アイスランドのビャルニ・ベネディクッツォン外相、ノルウェーのエスペン・バット・アイデ外相が参加した。
イスラエルとパレスチナの間の2国家解決とパレスチナ国家の必要性を全面的に出した記者会見となった。
希望の光を見出した話し合い
会見に溢れていたのは、「会談前には悲観的だった思いが、より前向きな方向を向いた」という、対面での話し合いによって、解決に向けての光を見出したという希望の表情だった。
イスラエルとハマス、米国は同席していない話し合いだったが、「2国家解決策を求める国際社会の声を強化するため」には効果のある会談だったようだ。
持続的な2国家解決策とはどのようなものかについて話しながら、いくつかの解決策もでてきたとノルウェーのガイデ外相は話した。
「オスロ合意という平和の約束は一度は失われたが、今こそオスロ合意を柱にして2国家解決策を達成するべき」
オスロ合意は一度は失敗してしまったということを何度も強調したのは、ヨルダンのアイマン・サファディ外相だった。
パレスチナ自治政府の刷新・活性化
記者たちからは「パレスチナ自治政府を刷新・活性化させる必要があるという意見が出ているが」という質問が出た。
パレスチナ自治政府(PA)のリヤド・アル=マリキ外相は「私たちは非常にオープンで、耳を傾け、関与する準備はできている」と回答。
「パレスチナ国家への道筋が確かなものであれば、パレスチナ自治政府はその責任を果たすことができると思います」とサウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル=サウド外務大臣は述べた。
ノルウェーのエスペン・バット・アイデ外相は「この本当に困難な時期をパレスチナ当局を支持し支援することは、信じられないほど重要」とコメントした。
ヨルダンのアイマン・サファディ外相はこのことについて、改めて「オスロ合意は失敗し、パレスチナ自治政府は国民への約束を果たせなかった」というところから始めた。
彼らの言葉から分かるように、オスロ合意は失敗したが、オスロ合意を柱とした持続的な2国家解決策こそが希望への道だという姿勢は共通していた。
たとえ「押し付けだ」と言われても、国際社会の圧力としてできること
オスロ合意の反省も常に抱えながら、ガザ再建のプロセスにおいて仲介役・ファシリテーターとしてノルウェーは役割を果たそうとしている。北欧諸国は合理的でありながら、欧州諸国の中でも理想が特に高い国々だ。2国間解決は夢物語だと唱える人がいても、北欧諸国は不可能だと思っていないことは明白だ。
2国間解決を不可能だと考える人にとって、矛盾を抱えながらもノルウェーのような理想に突き進む国は奇妙にうつるかもしれない。しかし、ガザでの絶望的な状況が日々メディアで流れる中で、国際社会の圧力の一部として、このような希望を模索する会合は必要だ。たとえハマスやイスラエルに「押し付けだ」と言われても、今回の「ガザ・ミーティング」の参加国はその道をあきらめないだろう。