ふんわり、しっとり「紫芋かるかん」天然山芋と鹿児島県産紫芋の魅力が凝縮された老舗のお洒落な郷土菓子
和洋菓子、季節問わず人気の食材といえばさつまいも。冬の風物詩ともいえる焼き芋のイベントも、ここ最近は冷たいスイーツとして夏にイベントが開催されることも。勿論旬はありますが、美味しい時期に収穫されたものをペーストなどにして一年を通して美味しく調理できるのも人気の理由のひとつといえるでしょう。
さつまいもと同じくらい人気が高いのが紫芋。深く上品でありながら鮮やかな色味の存在感は強く、さつまいもとはまた異なるほっくりとした風味も魅力の一つ。
鹿児島県鹿屋市にお店を構え、創業110年以上を誇る老舗「御菓子司 大黒屋」さん。和菓子のみならず洋菓子の要素も取り入れ、郷土の味からカジュアルなお茶の時間にぴったりなお菓子までお作りになっているお店です。その大黒屋さんでは、郷土の味わいがぎゅっとつまったお菓子が販売されているのです。
今回は「紫芋かるかん」をご紹介。
鹿児島県を語る上で欠かせない名物といえば、軽羹。白磁のふわふわ且つもちっとした食感が特徴的なお菓子でして、山芋と上新粉(米粉)、お店やレシピによっては卵白を加えるところも。大黒屋さんでは天然の山芋と薩摩産の米粉を合わせたシンプルな生地ゆえに、山芋特有のこっくりとした風味の中にふわりと柔らかな風味が鼻の奥に立ち上ります。
そこに加わるのが、ねっとりとした食感の紫芋の羊羹。羊羹といっても一般的な練り羊羹のように菓子切りで切り分けるような固さではなく、舌先でも滑らかに溶かして味わえるような軽羹生地との馴染みの良い柔らかさです。
白餡の甘さを借りつつも、紫芋の香り立ちと優雅な甘味ははっきりと。山芋のどこか野性的でナチュラルな風味と、優雅な紫芋のどことなくハイカラな風味双方を一度にかつわりかしストレートに楽しめるお菓子はなかなか珍しいのではないでしょうか。
軽羹にあんこを包んだお饅頭はよく見かけますが、その色彩を活かした構成にぐっとときめいたのでした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<御菓子司 大黒屋>
公式サイト(外部リンク)
鹿児島県鹿屋市朝日町7-3
0994-42-2034
8時~19時
定休日 元旦