【オートバイのあれこれ】ちっちゃくなったNSR500!?
全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。
今日は「ちっちゃくなったNSR500!?」をテーマにお送りします。
1980年代に激しく沸いたレーサーレプリカブーム。
その代表格は250ccや400ccの中型クラスだったわけですが、一方でその波は原付クラスにも及んでいました。
1986年(昭和61年)2月にスズキが『GSX-R』風のカウルを備えた『GAG』を発売すると、そのひと月後にはヤマハから『YSR50』が出現。
外観は本格的なレーサースタイルでありながらも車体はミニサイズで、そのカッコ良くもかわいらしくもある佇まいからこれらの原付モデルは人気を博しました。
(原付免許さえあれば乗ることができたというのも、人気を後押しした要因と言えるでしょう)
そのようななか、ホンダも’87年に同様のモデルとなる『NSR50』をリリースします。
「NSR500を3/4サイズへスケールダウンしたモデル」
というコンセプトの下に開発されたNSR50は、見た目こそパロディチックでありながら、中身には“ただ似せるだけでない”本格派の作りこみがなされていました。
フレームは専用設計された高剛性のツインスパータイプが用いられ、スイングアームにもアルミ製の角パイプを使用。
さらに足まわりへ目を移すと、アルミ製の12インチキャストホイールにはディスク式ブレーキが前後ともにおごられ、またそれを支える前後サスペンションも油圧ダンパーを備えた本格的なものとなっていました。
エンジンは排気量49ccの水冷2ストローク単気筒で、ピークパワーは当時の規制上限である7.2psを発揮。
ギヤ比がクロスした6速ミッションを組み合わせて走りを楽しめる特性としつつ、振動を抑える一軸バランサーを内蔵するなど、乗り心地にも配慮された作りとなっていました。
NSR50は原付モデルの枠を超越した「フルスペック」を武器にサーキットで高い戦闘力を誇り、それこそ世界グランプリに見るNSR500のごとく、日本各地で開催されていたミニバイクレースにおいて猛威を振るったのでした。
画像引用元:本田技研工業/ヤマハ発動機