2年7ヶ月ぶりにバッテリーを組んだ7年目の同級生、打ったのも同級生《阪神ファーム》
きのう7日、西宮市はものすごい雨と風で桜の花もかなり散ってしまいました。でもまだ踏ん張っている木もあり、きょうから甲子園球場で戦う1軍を迎えていますよ。きのう爆発したような打線を期待したいですねえ!
さて阪神ファームは名古屋へ遠征していますが、その前の5日からは広島戦が行われました。昨年もスタンドが真っ赤に染まったカープを今季初めて鳴尾浜に迎えたことや、上本選手がウエスタンの試合に出場すること、春休みの最後で天気が崩れる前に観戦しよう!という方が多かったのでしょうか。5日、6日とも入場制限が行われる盛況ぶり。
まず5日は、1回に阪神が打者11人で6安打を集中させ7点!島本投手が5回9安打で5点を失ったものの、2点を加え9対2と快勝しています。ペレス選手が3打席連続塁二塁打、緒方選手は2ランを含むマルチ、小宮山選手には満塁の走者を一掃するタイムリー二塁打が出ました。筒井投手、安藤投手、ドリス投手は無失点です。
現在、ソフトバンクと中日が首位を、阪神と広島が3位を争っているウエスタン・リーグ。このところ1試合ごとに順位が入れ替わっています。5日の試合終了後には1位・中日、2位・ソフトバンク、3位・阪神、4位・広島、5位・オリックス(ここは不動です…)。6日に1位と2位はそのままで、残念ながらタイガースの連勝はならず3位と4位がまた入れ替わりました。
そして7日は予報通り、朝から大雨と暴風の悪天候で中止。きょうから好調の中日と3連戦です。3月末から4月にかけて5連勝があり、今回もソフトバンクに連勝して首位キープの中日。さて今季初ナゴヤ球場で小虎はどんな戦いを見せてくれるのでしょう。なお10日(日)は四日市で行われます。
7年目の同級生バッテリー
では、6日に行われた広島戦の結果です。この日は秋山投手と原口選手の先発バッテリーでした。ことし7年目の同級生。印象に残っているのは、2人が2年目だった2011年8月13日のソフトバンク戦(小郡)で完封勝利を挙げたことです。もちろん原口選手も最後までマスクをかぶり、秋山投手が「きょうは高校時代のキャッチャーと組んでいるような感覚で、最高でした!」と、宿舎に帰ってからわざわざメールをくれたくらいなので忘れられません。この年は計3度、このコンビのスタメンがありました。
その後のウエスタン公式戦では2012年に2試合、2013年に2試合バッテリーを組んでいます。最後は2013年9月18日の中日戦(鳴尾浜)で、先発で組んだのもこの時以来ですね。しかも2人ともが5回まで出たのは、2011年まで遡らなくてはなりません。先に書いた小郡のあと、9月11日に広島戦で6回まで(秋山投手の降板後に原口選手が逆転タイムリー二塁打を放って、負けを消した!)、またフェニックスリーグでも3試合で組み、すべて5回以上いっています。
というわけで、2013年9月18日以来2年7ヶ月ぶりのバッテリーで、2011年10月22日のフェニックスリーグ・横浜戦以来4年半ぶりに5回まで組みました。そして、この2人と同級生の広島・堂林選手が4番で先制ソロを含む4安打3打点の大活躍!「まだいますよ~。庄司と中村」と原口選手が言うように、2番・庄司選手と、キャッチャーの8番・中村亘選手も同級生でした。みんな高校から入団して7年目。戦いの場が、次は甲子園球場かマツダスタジアムだったら嬉しいですね。
さて試合は、秋山投手が5回3失点で降板後に打線はいったん追いつきます。しかし9回に石崎投手が勝ち越し点を与え、陽川選手は2打席連続タイムリーで食い下がったものの1点及ばず…という結果でした。そういえば入団年は違えど、陽川選手も1991年組ですね。きょうナゴヤで先発予定の岩崎投手も。
《ウエスタン公式戦》4月6日
阪神-広島 5回戦 (鳴尾浜)
広島 010 020 012 = 6
阪神 000 002 21X = 5
◆バッテリー
【阪神】秋山-小嶋-山本-田面-●石崎(3敗1S) / 原口-清水(8回表)-小豆畑(9回表)
【広島】辻(7回)-○へーゲンズ(2勝)(1回)-飯田(2/3回)-S西原(1/3回) / 中村亘
◆本塁打 堂林1号ソロ(秋山)、ペレス2号2ラン(辻)
◆二塁打 ペレス
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]二:上本 (4-1-0 / 0-1 / 0 / 0) .333
2]左:緒方 (5-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .444
3]指:ペレス (5-3-2 / 2-0 / 0 / 0) .382
〃走指:俊介 (0-0-0 / 0-0 / 1 / 0) .296
4]三:陽川 (5-2-2 / 2-0 / 1 / 0) .298
5]右:板山 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .214
〃打:中谷 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .258
6]中:柴田 (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .238
7]捕:原口 (1-0-0 / 0-2 / 0 / 0) .250
〃走捕:清水 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .333
〃打一:坂 (0-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .154
8]一:西田 (2-0-0 / 0-1 / 0 / 0) .143
〃打一:森越 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .212
〃打:新井 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .333
〃捕:小豆畑 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .000
9]遊:植田 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .143
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 5回 68球 (9-5-0 / 3-3 / 5.40) 141
小嶋 1回 23球 (1-2-0 / 0-0 / 6.00) 140
山本 1回 15球 (0-3-0 / 0-0 / 0.00) 135
田面 1回 19球 (2-1-0 / 1-1 / 5.40) 149
石崎 1回 35球 (2-0-2 / 2-2 / 4.70) 149
試合経過
秋山は1回、1死後に内野安打で庄司を出しますが、プライディを空振り三振に仕留めて2死。続いて原口が盗塁阻止、3人で片づけました。しかし2回、先頭の堂林にライトへホームランを打たれて先に失点。2死後に自身の足元を強襲する内野安打を浴び、さらに連打で満塁とするも追加点は与えず。3回と4回は三者凡退です。
ところが5回は1死から桑原に中前打、野間の中前打(ランナーが好スタート)で一、三塁となり、庄司の右犠飛で1点。ここは板山-西田-原口と素晴らしい中継だったのですが、コリジョンルールにより原口はブロックできず。桑原を還してしまいます。そしてプライディの右前打でまた一、三塁(これも好走塁)となって堂林の左前タイムリー。3対0となりました。
打線は1回2死からペレスが左翼線二塁打したものの無得点。2回は1死後に柴田の中前打、しかし原口の遊ゴロを桑原がキャッチし、倒れたままセカンドにトス、一塁へ転送されて併殺(これはナイスプレーでしたね!)。3回と5回は1四球ずつで得点はありません。6回表に小嶋が2死から中村亘に左前打されたものの、桑原はカーブで空振り三振に仕留めています。
するとその裏、先頭の上本が内野安打、緒方の二ゴロで走者が入れ替わり1死一塁。続くペレスが初球を打って、センターバックスクリーンへの2ラン!7回表は山本が登板して1番から3者連続三振を奪います!野間を最後は真っすぐで見逃しの3球三振。庄司とプライディはスライダーで空振り三振でした。その裏は柴田と原口が連続で四球を選んだものの得点なし。
3対2と1点ビハインドで迎えた8回。田面と清水のバッテリーが先頭の堂林に左前打され、犠打で二塁へ。メヒアの左前タイムリーで2点差となります。しかし8回裏に追いつきました!へーゲンズから上本が四球、緒方の中前打で一、二塁。ペレスは3球三振でしたが、陽川の左前打で上本が生還。板山の一ゴロで2死三塁となって柴田のところで暴投があり、緒方も還って4対4!柴田は死球、代打・坂は四球で2死満塁とするも、代打・新井が空振り三振で同点止まりです。
そして9回は石崎と小豆畑のバッテリー。1死を取ってから野間に四球を与え、2死後に小豆畑の捕逸と四球で一、二塁として堂林が左前タイムリー。さらに土生も中前タイムリー…。2点の勝ち越しを許しました。9回裏、飯田に2死を取られた打線ですが、そこから緒方が中前打、ペレスも中前打で一、二塁。続く陽川が左前タイムリー!1点差に迫ります。2死一、二塁でピッチャー交代、代打は中谷。2球見送ったあと、3球目のボールで代走の俊介と陽川が盗塁を決めるも、最後は空振り三振で試合終了。1点及びませんでした。
掛布監督が語るペレスと石崎
ペレス選手のホームランについて聞かれた掛布監督は「すごいね」と、まず一言。それから「去年のいい状態のバッティングをしていると思うよ。でも、ちょっと脆いところがあるかな。あの三振とか。それが気になる。勝敗を左右するところで打ってるし、気持ちが前に出ているのはわかるけど。攻められ方に合わせたアプローチが出来れば十分、1軍でも対応できるバッターだと思う。ただ、ああいう三振をするのは…」と続けました。
8回無死一、二塁で3球三振に倒れた打席が、どうしても気になるようです。「最初の二塁打とか、最後のセンター前とか、いいところはあるんだよ。僕らが高望みしているのかもしれないけど、あそこで簡単に三振するのはねえ。まあ広角に打ってるし、状態はいい」
また石崎投手には「ファームの形として最後に石崎と、ああいうふうに使い続けないといけない。そこで何かをつかんでくれれば。でも3回目だからね」と、抑えで3度目の救援失敗となった点を挙げました。3月20日のオリックス戦(3対3の9回表、ブランコ選手に勝ち越しHR)、3月31日のソフトバンク戦(0対0の9回裏にサヨナラ負け)に続いて…ですね。
2死二塁でプライディ選手にカウント2-0としたところで、自らマウンドへ向かった掛布監督。3月17日の中日戦(鳴尾浜)で、先発の田面投手の時以来2度目のことでした。「左バッターと右バッターのどっちが投げやすい?という話をね。2人で1つアウトを取ればいいんだからと。あれはまあ打った堂林を褒めてあげなきゃね」。結果的には右の堂林選手と左の土生選手に連続タイムリーを浴びてしまったんですね。でも「いい経験していますよ。負けの中にも収穫あり!」と、掛布監督ならではの締めでした。
同級生バッテリーのコメント
秋山投手は9安打を浴び3点を失ったものの、低めに丁寧なピッチング。「ファームに来てから“奥行き”を使うこと、意識しています。今までカーブやフォークだったところでスライダーを使うようにして、わりと序盤は右バッターも左バッターもいい反応で打ち取れたんで、ひとつの収穫かなというのもあるし。ちょっと緩めのスライダーで他の球種も生きてくると思うので、これからもその方向で他を生かしていくというところですかね」
堂林選手のホームランに「入るとは…」と苦笑い。確かに、ライトの板山選手もいったんは前に来るような素振りだったし、まさに「入るとは…」という感じでした。「打ち取ったと思った。仕方ないですね。2本目のタイムリー(5回)は完全に甘く入ってしまったんで」。現時点の課題として「スライダーの精度というか、奥行きが使えるように。サイドにはそれなりに投げられているので。奥行き、まあ緩急ですね。勝負球として難しいカーブ以外は」と話しています。
原口選手にも聞いてみましょう。「秋山、よかったですよ!この前の由宇よりもよかったと思います。スピードガン以上にボールが来ていました」。そう言ったあと「連打の時に甘いところがあった」と続けたので、秋山投手の球が?と思ったら「もうちょい工夫して、しっかり配球していければ」と、いつの間にか自分自身の反省につながっています。原口選手らしい。
「ボール自体はよかったけど、当たるところへ行ってしまう。でも5回3失点だし、追いついたから。そのあとの小嶋さんも山本さんもよかったですね。気合いが入っていたし、ナイスピッチングだと思います!」
山本が上向きに、田面は149キロ!
山本投手は3月17日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)で今季初登板し、1イニングを1安打無失点ながら「内容も0点だった」と笑顔はありませんでした。しばらく間があいて次は4月3日の社会人・カナフレックス戦(鳴尾浜)で2イニングを投げ二塁打1本と四球1つ、三振4つ。二塁打は、もと阪神の藤井宏政選手に打たれたもので「1球目がボールで、次は入れようと思ったら真っすぐがスライドしてしまった…。失投です」と悔やんでいました。
そして、きのう6日が3試合目。7回1イニングを3者連続三振という結果です。「前回も前々回も、真っすぐ、真っすぐでノースリーになってしまった。今回は原口がスライダーから入ってくれて、初球を取れたのが大きかったですね。有利なカウントでいけたと思う。この前は苦しまぎれだったけど、きょうは自分のペースで放れました」。左ヒジについては「大丈夫です。球速は出ていないけど、痛いとかじゃないんで。フォーム的なことをもっとやって、はまってくれば出てくると思います」とのこと。
8回に登板した田面投手は、先頭・堂林選手への初球で『149キロ』が出ました!見逃しストライクですから打球速度ではない。というわけでプロ最速とさせていただきます。社会人時代には150キロ超えもありますもんね。本人は「いい感覚で投げられたのは確かですが、149キロ出るとは思っていなかった。帰ってきた時に言われたけど…」と半信半疑です。
2安打で1点を失ったところは「堂林のヒットは仕方ない。でもメヒアのは。あれだけは失投です。中村の三振(スライダー)みたいにしたかった」と振り返る田面投手。こんな言い方は失礼ですけど、ストライクを取るのに一生懸命だった昨年前半までとは、その反省ポイントから違ってきましたね。次の登板も楽しみにしています。
ペレス、陽川、緒方、植田
1回に二塁打、6回に2号2ラン、9回は右前打と3安打のペレス選手。ホームランの手応えはよかったらしく、バックスクリーンに当たったのも「ちゃんと見ていた」と言っていました。前日は二塁打3本、好調ですね。「特に修正していることはなく、初球から全力でいくことを意識しています」。日本のピッチャーについては「だいたいわかってきたが、それぞれピッチャーによって違うので見極めながらやっている」そうです。
次は、3打席凡退(2、3打席は三振)のあと、8回と9回に連続タイムリーを放った陽川選手です。「みんなで回してくれてチャンスが来たので何とかしたかった、ってのはありますね。9回は2アウトからつながって、つながって来た。途中まで仕事ができていなかったので、自分もつないで最悪ランナーを還せたらと」。ホームランを狙う気持ちは?「多少はありましたけど、そこは大振りにならずにいけた。なんとか食らいついていこうと思っていました」
掛布監督から、左足の使い方を試合前にも言われ「左足をひねって踏み込むと、打つ時に開くので体も開いてしまう。練習中から意識していた」と話す陽川選手。現時点でウエスタン・リーグのトップなのが、本塁打4、打点13、塁打31(ペレス選手とタイ)で、長打率.544はペレス選手の.564に次ぐ2位です。昨年までなら、2三振したあとで2連続タイムリーはなかったかも。まあ三振16ってのもリーグトップですけど、打率を.298(リーグ8位)と保っていることは大きな進歩と言えますね。
緒方選手は前日、ライナーで防球ネットに突き刺さった今季1号を含む2安打。6日は8回と9回に中前打を放っています。その前の打席も当たりはよかったでしょう?「そうですね。芯でとらえられたので内容はよかったです。内容がよくてヒットにならないのは一番辛いですけど、まあ最後に出たので」。6回の生還はペレス選手の2ランでしたが、8回は暴投で滑り込んでセーフ!9回も二塁から生還で計3得点。これこそが緒方選手の仕事です。
最後に植田選手。3回の1打席目は西田選手が四球を選び、無死一塁となったところでの犠打でした。あれはサイン?「はい、サインです。セーフティーの」。なるほど。いいバントだったけど惜しくも一塁はアウトで、結果的に走者を進めました。左打席でのバントは初めて?「初、ですね。セーフティだったんで、送りバントよりやりやすい。ファウルになってもいいと言われていたんですけど、うまくいった。いいとこ行きましたよね?」。嬉しそうに笑います。