利用者72.9%、そのうち月一以上は39.1%…回転寿司店の利用実態をさぐる(2023年公開版)
おにぎり同様に日本風のファストフードとして知られる一方、食生活の変化や競合他サービスの領域拡大で苦戦を強いられ、多様な商品展開で起死回生を図る動きのある、回転寿司業界。現状ではどれほどの人が、どれぐらいの頻度で利用しているのだろうか。マルハニチロが2023年3月に発表した「回転寿司に関する消費者実態調査2023」(※)を基に、その実情を確認する。
次に示すのは予備調査、つまり回転寿司の利用の有無を問わない調査対象母集団における、寿司の購入・実食状況を確認したもの。普段寿司の調達場所としてもっとも使われているのは回転寿司店で、72.9%の人が利用している。頻度は今設問では問われていないことに注意。
次いで多いのはスーパーなどでの購入で53.4%、大きく値が下がって「家族で作る」「回転寿司以外の寿司店」が続く。現在の食生活でお寿司の立ち位置は、おおよそ回転寿司かスーパーなどのコーナーに並ぶセット系のお寿司が主力と考えてよいのだろう。他方「寿司は食べない」との回答は9.6%でしかない。
それではもっとも多くの人が寿司を食べるルートとして用いている回転寿司店は、どの程度の頻度で使われているのだろうか。
全体では39.1%が月一以上で利用している。週一以上のつわものも4.6%。月一ほどの高頻度ではないが、年に一度以上は足を運ぶ人を計算すると55.9%となり(「2-3か月に1回」「半年に1回」「年1回」の合算)、回転寿司を利用する人の多くはイベント的、特別な気分転換としての食事に回転寿司を位置づけている実情が分かる。例えば自分が頑張ったと思った時のご褒美として、ボーナス支給時、とても疲れた時、何か嬉しいことがあった時、子供がよい成績を収めた時、などだろうか。
属性別の違いでは、男女では男性の方が、年齢階層別では10代から30代で利用率が比較的高め。就業者による食事の一環として、あるいは家族サービスとしての回転寿司の利用が多いのかもしれない。
■関連記事:
【おあいそ、あがり、むらさき……お寿司屋さんの業界用語、どれだけ知ってる?】
【「豊かな伝統と文化」がトップ…アメリカ合衆国が抱く日本のイメージをさぐる(2022年公開版)】
※回転寿司に関する消費者実態調査2023
2023年2月10日から2月14日にかけて、15~59歳の男女に対しインターネット経由で実施したもので、予備調査時点では11652人が調査対象母集団。本調査ではそのうち、月1回以上回転寿司店を利用している人3000人を対象としている。本調査の男女比はそれぞれ1対1。調査協力会社はネットエイジア。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。