米テキサス州で百年洪水発生 複数が死亡、刑務所混乱も
テキサス州では、先週からの豪雨により、103年来とも言われる深刻な洪水が発生しています。気象局によると、テキサスは5月1日から29日(日)までに35兆ガロン(130兆リットル)もの雨が降り、その量は、州全体を20センチの水で浸せるほどだと言います。
洪水の被害
州南東部では、先週からの総雨量が500ミリ以上に達したところもあり、河川の水量が、記録的な水位に達しています。特に、州最大のブラゾス川の水位は、火曜日史上最高の17mに達し、川の水が溢れ大洪水が起きています。
ブラゾス川流域の住民には避難勧告が出されていましたが、警察はボートやヘリコプターなどで逃げ遅れた人々の救助に当たっています。
家畜も影響を受け、牛が洪水に巻き込まれている心痛む衝撃的な映像も映されています。
また、川周辺の2カ所の刑務所の受刑者2,600人も、別の刑務所に移されるなどの対応が行われました。その際、停電により刑務所員と受刑者との間でトラブルとなり、乱闘騒ぎが起きたとも伝えられています。
さらに、2日(木曜)には州中部で、戦闘車両が洪水に巻き込まれ、乗っていた兵士3人が死亡、6人が行方不明となっています。
去年から連発する大洪水
この大雨をもたらしている原因は何でしょうか。
先週後半から、低気圧が次から次にテキサスを通過したこと、そして、すぐ南に位置するメキシコ湾の海水温が例年よりもやや高い状態で、暖かく湿った空気が断続的に流入したことなどが挙げられます。
テキサスが洪水に襲われたのは、今回が初めてではなく、今年4月にもヒューストン周辺で歴史的な大洪水が発生し、8人が死亡。そして、去年の5月にも記録的な豪雨が降り、「200年来」の洪水が起きています。
雨まだ降り止まず
すでにダムも満杯近くに達しているところもあり、一刻も早い天気の回復が望まれますが、悲惨なことに、今週末にかけて、さらに雨の予想が出ています。多いところさらに150ミリの雨量が予想されており、さらなる被害が懸念されています。