ノルウェーでヨーハウグ選手の人気急上昇、スポンサー企業のお気に入りに/故意ではないドーピングの代償
唇の治療薬に禁止薬物が入っており、チームドクターの指示に従い、「うっかり」ドーピングしてしまったテレーセ・ヨーハウグ選手。当初から、ノルウェー国内では、ヨーハウグ選手を応援しようという風潮が強い。今、同選手は、企業の間で「最も人気のスポンサーアイコン」となっている。
スキー女王ヨーハウグ選手に13か月の資格停止処分 リップクリームに禁止薬物
昨年11月、スポンサー・インサイトの調査では、1600人へのインタビューで、108人の選手中、ヨーハウグ選手が最も人気のあるスポーツ選手として選ばれたと発表。トップを占めた多くは、クロカン選手だった。
「あそこまでネガティブな報道が続いたにも関わらず、ノルウェー国民はヨーハウグ選手を信頼し、応援しています」と、調査会社のリーダー、アントセン氏はTV2に語る。
「国民がヨーハウグを信頼していることは不思議ではありません。今回の悲惨な騒動の、犠牲者ですからね」とクロカン選手のNiklas Dyrhaug氏はTV2に答える。
2月に発表された13か月の資格停止処分を受けて、契約を解約したスポンサー企業は、スキー板などを販売する大手のFISCHERのみだった。その他のブランドは、「ヨーハウグを信頼している」、「壁にぶつかっている一人の人間を、我々はクビにしない」など、応援する姿勢を表明している(Aftenposten)l。
15日付のアフテンポステン紙は、「ヨーハウグの価値は上昇する一方だろう」という記事を掲載。
15日、ヨーハウグ選手は13か月の資格停止処分を下したノルウェースポーツ連盟の審議会に対して、異議申し立てしないことを発表。「自分に一切の罪はないという主張に変わりはないが、平昌(ピョンチャン)冬季五輪に向けて、集中したい」と弁護士を通じて発表した。
Text: Asaki Abumi