クリスマス&大安に「婚姻届」を出す方へ
今日12月25日はご存知のとおりクリスマス。しかも大安です。本日婚姻届を出すカップルも多いのではないでしょうか。そこで、婚姻届について考えてみましょう。
婚姻届の効果
民法の規定では、「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる」とされています(民法739条1項・婚姻の届出)。つまり、内縁や事実婚のように、届出がなければ事実上の夫婦生活が続いていても、法的な婚姻にはなりません。
届出は、当事者双方および成年の証人2名以上から、口頭または署名した書面(婚姻届書)をもってしなければなりません(民法739条2項)。
739条(婚姻の届出)
1.婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2.前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
本人確認を行う
届出の受理にあたっては、戸籍管掌者(市区町村長)は、法令違反の有無を確認します。しかし、形式的審査があるに過ぎないので仮装の届出がなされる事態を防ぐことができません。
そのため、婚姻、協議離婚、養子縁組、養子離縁、認知の5つの届出について、戸籍の窓口では、届出に来た者の「本人確認」を必ず行います。
本人確認の証明書
本人確認に求められる証明書をご紹介します。
1枚の証明書で足りるもの
次の証明書であれば、1枚で本人確認ができます。
・運転免許証
・写真付き住民基本台帳カード・旅券(パスポート)
・国又は地方公共団体の機関が発行した身分証明書
・海技免状
・小型船舶操縦免許証
・電気工事士免状
・宅地建物取引主任者証
・教習資格認定証
・船員手帳
・戦傷病者手帳
・身体障害者手帳
・療育手帳
2枚以上の証明書が必要なもの
次の証明書の場合は、2枚以上組み合わせて証明することになります。
・写真の貼付のない住民基本台帳カード
・国民健康保険、健康保険、船員保険、又は介護保険の被保険者証
・共済組合員証
・国民年金手帳
・国民年金、厚生年金保険又は船員保険の年金証書
・共済年金又は恩給の証書
・戸籍謄本等の交付請求書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書
証明書と認められないもの
次の書類のみが2枚以上あっても証明書と認められません。ご注意ください。
・学生証、法人が発行した身分証明書で写真付きのもの
・国又は地方公共団体が発行した資格証明書のうち写真付きのもの(上記に掲げた書類を除く)
届出の本人であることの確認ができなかった場合
届出の本人であることの確認ができなかった場合には、確認できなかった本人(届出人)に対して、「婚姻等の届出」が受理されたことを、届出人の住所地に郵送等により通知することになります。
※以上参考法務省ホームページ「戸籍の窓口での「本人確認」が法律上のルールになりました」
結婚して生じる権利義務
婚姻届が受理されて婚姻が成立すると、法律上次のような権利と義務が生じます。
・夫婦同氏(民法750条)
夫婦は結婚の際に夫又は妻の氏のどちらかを夫婦の氏として選択しなければならない。
夫婦は同居し互いに協力し扶助し合わなくてはならない。
・貞操義務
夫婦は貞操義務を負う(不倫はダメ)
その他にも、姻族関係の発生(725・728条) 、子が婚姻関係にある夫婦から生まれた子となる(772・789条)、配偶者の相続権が認められる(890条)などがあります。
なお、 夫婦は結婚期間中に締結した夫婦間の契約を結婚期間中はいつでも、何の理由もなしに一方的に取消せます(夫婦間の契約取消権・754条)。
このように結婚はゴールではなくスタートです。そして、婚姻届を出して受理されたその時が、まさにスタートのその瞬間です。
ぜひこのよき日を忘れず末永くお幸せに!