台風16号が過ぎても高い海水温 今後も台風の発生や接近に要注意か
台風16号は温帯低気圧に
きのう10月1日(金)、伊豆諸島や関東に最接近した台風16号は、きょう2日(土)午前9時、日本の東で温帯低気圧に変わりました。
関東からはやや離れた海上を通過したものの、巨大な暴風域に巻き込まれたため、銚子で最大瞬間風速41.8メートル、勝浦で24時間雨量274.0ミリを観測するなど、千葉県を中心に大荒れの天気となりました。
台風16号が消滅したことで、現在発生している台風はなくなりましたが、依然として日本の南の海水温は30度近くあるため、今後発生する台風にもまだまだ注意を要する状況です。
また近年は10月半ば以降の大型台風の襲来が数多くあり、度々大きな災害も発生していることも気がかりです。
依然として高い海水温
今回の台風16号は大型で猛烈な勢力、あるいは非常に強い勢力で、日本の南を1週間近くもかけてノロノロと北上したため、台風自身の暴風で海面をかき混ぜ、海水温がどれくらい下がるのか、注目していました。
上図は気象庁発表の海水温の様子で、左側が台風16号が発生する直前の9月22日(水)、右側が台風16号が通過した後、きのう10月1日(金)の様子です。
台風16号が発生する前は、日本の南からフィリピンの東にかけて30度以上の領域が大きく広がっており、平年と比べて1度前後高く、特に日本の南は2度以上高い領域も見られました。
一般に大きな勢力の強い台風が通過した後は、通過した周辺の海水温が全体として下がる傾向となり、時には2度から3度くらい下がることもありますが、今回は下がり方がやや鈍いようです。
台風16号が通過した後はたしかに下がってはいるものの、依然として日本の南は平年よりやや高く、30度近い領域が広がっているのが分かります。海の比較的深い所まで温度が高かったことが影響しているのかもしれません。
このあともう少し下がる可能性もありますが、どうやら顕著な低下は見られないまま、10月を迎えたこととなり、近年10月は大きな台風が襲来することが多いため、引き続き、新たな台風の発生には今後も注意が必要だと言えるでしょう。
以下は、10月半ば以降、日本に襲来した近年の大型台風です。
2019年台風19号
2019年の10月12日、大型で強い勢力で東日本に襲来した台風19号。
2017年台風21号
2017年10月23日、超大型で強い勢力で東日本に襲来した台風21号。
2014年台風19号
2014年10月13日、大型で強い勢力で九州に襲来した台風19号。