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ahamoでもネトフリ最大20%還元 ドコモ「爆アゲ セレクション」

山口健太ITジャーナリスト
人気サブスクでポイント還元(ドコモのWebサイトより、筆者撮影)

NTTドコモは、NetflixやDisney+といったサービスの利用でポイントを還元する特典を4月1日から始めます

携帯キャリアとサブスクの連携が進む中で、ドコモはオンライン専用プラン「ahamo」の利用者も特典の対象とするなど、他社との差別化を図っています。

人気サブスクの契約でポイント還元

月額制の「サブスク」サービスは増える一方ですが、個別に契約していくと毎月の負担は意外と大きなものになりがちです。

そこで国内の携帯キャリアは、セット割の料金プランや、ポイント還元の特典を提供することで、消費者の負担を減らそうとしています。こうした施策は、より長く契約を続けてほしいサブスク提供側の思惑とも合致しています。

今回、ドコモが始める「爆アゲ セレクション」は、NetflixやYouTube Premium、Disney+、DAZNといった対象サービスについて、ドコモを通して契約するなど一定の条件を満たすことで、最大20%のポイントを還元するという特典です。

たとえばNetflixのスタンダードプラン(月額1490円)なら、20%還元として、毎月271ポイントが「期間・用途限定」のdポイントとして還元されます。

ソフトバンクがPayPayポイントを還元する「エンタメ特典」に近い方式ですが、サービスによってはドコモのほうが還元率が高いようです。

KDDIでは、auの料金プランとして「使い放題MAX 5G ALL STAR パック」を提供しています。しかし個々のサービスを選ぶことはできず、パックに追加されたDAZNの値上げにより、このプランの利用者全員が値上げされる事態になりました。

一方、ドコモの「爆アゲ」では好きなサービスを選べるので、契約中のサービスが値上げされる可能性はあるものの、自分が興味のないサービスの影響を受けることはなさそうです。

今後の展開について、発表会の質疑応答では「ロングテール、ニッチなお客様のニーズにも応えられるものがあれば、ラインナップしていきたい」(NTTドコモ 執行役員 営業本部長の野田浩人氏)との方針を語っています。

また、他キャリアは基本的にメインブランドでサブスクと連携しているのに対し、ドコモは「ギガホ」の利用者に加えて、オンライン専用の「ahamo」も対象という違いがあります。

これはスマホの料金を節約しながらサブスクを続けたい人に朗報でしょう。ポイント還元を考慮すると、他社のサブブランドやMVNOからahamoに乗り換えることでおトクになる場合も出てきそうです。

サブスクを増やせるという点では、dTVをリニューアルした「Lemino」との関係も面白そうです。今後、ドコモはオリジナル作品を増やしていくとのことから、本質的にはNetflixなどと競合することになります。

これから自社サービスを強化するのに、「爆アゲ」でNetflixをすすめるのは矛盾を感じるところですが、最近は複数契約する人が増えており、Netflixと一緒にLeminoも契約する「2つ目需要」を狙えるといいます。この場合、ahamoの安い料金が生きてくることになるでしょう。

dポイント「経済圏」にも影響か

ポイント経済圏という視点では、「爆アゲ」がサービス料金を値引きするのではなく、ポイント還元となっている点は興味深いところです。

たとえば「DAZN for docomo」は、2月14日に月額3000円から3700円に値上げされました。しかし「爆アゲ」を通して契約すれば毎月673ポイントが還元され、月額の実質負担額は3027円と、値上げ前に近い水準になります。

以前との違いとして、「爆アゲ」の利用者は毎月より多くのポイントを受け取ることになります。ポイントは「期間・用途限定」のため、速やかにdポイント経済圏で使うことになるでしょう。

ポイントより値引きを好む人も多いとは思いますが、経済圏争いではいかにして効果的にポイントを配るかの競争にもなっており、ここはうまく利用したいところです。

唯一気がかりな点として、「爆アゲ」というネーミングはどうなのかという声はあるものの、多様化するサブスクやdポイント経済圏ともうまく調和しており、よく練られている印象です。今後のラインナップ強化にも注目といえるでしょう。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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