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4階級制覇王者のカムバック戦の相手は弁護士

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年2月25日に2年ぶりのカムバック戦を戦う予定だったエイドリアン・ブローナー。オハイオ州シンシナティで生まれ、2008年に19歳でプロデビュー。WBOスーパーフェザー、WBCライト、WBAウェルター、WBAスーパーライトの順に4階級を制した。

 34勝(24KO)4敗1分けの33歳はドン・キングと契約し、6月9日にフロリダ州マイアミのリングに上がる。

Don King Productions
Don King Productions

 対戦相手のビル・ハッチンソン(34)は、20勝(9KO)2敗4分け。ペンシルバニア州ピッツバーグ出身で、13歳でボクシンググローブをはめた。22歳でのプロデビュー戦は黒星。最初の6試合で2度のドローという厳しいスタートを切りながらも、徐々にブルファイトで人気を博し、アルトゥロ・ガッティと比較されるようになった。

 自ら「退屈な試合はしたことがない」と語り、地元では絶大な支持を得ている。それもその筈、ハッチンソンはプロボクサーでありながらも、ピッツバーグとフロリダ州ネープルズに法律事務所を構える知性派なのだ。<プロとして戦う弁護士>となれば、注目されて当然だ。

Don King Productionsが配布した試合のポスター
Don King Productionsが配布した試合のポスター

 2016年11月以降、7年弱の間に10連勝を飾っているこの法律家は言う。

 「私のことを知らない人も沢山いるだろう。でも、ブローナーを倒した後、誰もがビル・ハッチンソンの名を覚えることになるさ」

 

 ブランクのある4階級制覇チャンプvs.弁護士ボクサー。見逃せない一戦だ!

 

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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