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オートバイのあれこれ『三代目マジック9・ZX-9R』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今宵は『三代目マジック9・ZX-9R』をテーマにお話ししようと思います。

カワサキには、900ccのオートバイでバイク市場を賑わせてきた歴史があります。

▲900SUPER4(1972/画像引用元:川崎重工)
▲900SUPER4(1972/画像引用元:川崎重工)

「Z1」こと『900SUPER4』、「元祖ニンジャ」こと『GPz900R』。

最近では、『Z900RS』が我々バイクファンを楽しませてくれていますね。

こうした背景から、カワサキ製バイクの文脈において「マジック9(ナイン)」というワードも生まれました。

「世のバイク乗りを虜にするカワサキ流の魔術」

とでも言いましょうか。

そんな「マジック9」によって生まれたひとつが、1994年(平成6年)デビューの『ZX-9R』です。

▲ZX-9R(1994/画像引用元:川崎重工)
▲ZX-9R(1994/画像引用元:川崎重工)

Z1や900ニンジャもそうだったように、このZX-9Rは我々バイクファンへ新たな世界観をもたらしてくれました。

どういう世界観かというと、「スパルタンなスーパースポーツと快適なツアラーの融合」です。

カワサキは、当時ラインナップしていたレーサーレプリカの『ZXR750』とフラッグシップツアラーの『ZZR1100』の“間の子”的存在としてこの9Rを開発。

▲ZXR750(1991/画像引用元:川崎重工)
▲ZXR750(1991/画像引用元:川崎重工)

ZXR750の車体をベースに、ZZR1100の強みである実用性をトッピングするやり方で開発を進め、9Rを仕上げました。

完成した9Rは、ピークパワー139ps&車重243kgと、まさにZXRとZZRの間を縫うスペックを獲得。

ZXR750(1993):118ps/221kg

ZZR1100(1993):147ps/256kg

ワインディングロードではZXR譲りのシャープなハンドリングを、高速道路等ではZZRの余裕と安定性を味わえるモデルとして9Rは登場し、世間からは新感覚のオートバイとして注目を集めました。

▲モデルチェンジした二代目・C型ZX-9R(1998/画像引用元:川崎重工)
▲モデルチェンジした二代目・C型ZX-9R(1998/画像引用元:川崎重工)

デビューした90年代半ばはネイキッドスタイルが流行っており、9Rの登場はZ1や900ニンジャの時ほどのニュースとはなりませんでしたが、それでも「快適スーパースポーツ」という新たな価値を創造したのは事実で、カワサキはこの9Rでまた新たなオートバイの世界を切り拓いたのです。

現在、『ニンジャ1000SX』やスズキ『GSX-S1000GT』、海外モデルだとドゥカティ『SuperSport』といったスポーツツーリング系モデルがありますが、ZX-9Rはこういったモデルの先駆けだったといえるでしょう。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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