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「正月帰省」は気が重い?ブルーな気持ちにならないために #専門家のまとめ

太田差惠子介護・暮らしジャーナリスト
イメージ画像(写真:アフロ)

今日で仕事納め? 実家への帰省の予定を立てている人も多いのではないでしょうか。楽しみにしている人がいる一方、「できることなら帰省したくない」と考えている人もいるかもしれません。「帰省ブルー」という言葉をネット記事などで見かけることが増えました。なぜ、帰省は気が重いのでしょう。帰省でストレスをためないコツはあるのでしょうか。せっかくなら、気持ちよく帰省したいものです。ブルーにならないための対策が書かれた記事をまとめてみます。

ココがポイント

義実家への帰省(中略)「とても気が重い」と「どちらかというと気が重い」を足した“帰省ブルー”は38.2%
出典:TBS NEWS DIG Powered by JNN 2024/12/23(月)

肝要なのは、異文化地帯に来たという認識です。(中略)ふだん一緒に生活していて「?」と思った夫の生態のヒントがあるかも
出典:All About(オールアバウト) 2024/10/20(日)

「実家には1泊まで」 「駅で会う」「決定事項しか話さない」 帰省でストレスをためないコツ
出典:OTEMOTO[オ・テモト] 2022/12/16(金)

祖父母のなかには、自分の子どもやその“嫁”にヘタに来られても『わざわざ自宅を掃除したり、あれこれ準備したりするのが大変』
出典:AERA dot. (アエラドット) 2024/8/13(火)

エキスパートの補足・見解

筆者は長年、別居している親子を取材してきました。

親が元気な頃は「結婚は?子どもは?」と問われる言葉が、「干渉?」となり、親が老いてくると「あっちが痛い、こっちが痛い」と不調や愚痴が増え、子にとっては「『将来の介護』への匂わせ?」と捉えることも。また、「男は仕事・女性は家庭」と考える親だと、正月ともなれば「女性は台所」を当然視され、子は不快に。

何も今始まったのではなく、そもそも価値観やライフスタイルの異なる者が集うのは面倒なことです。が、多くの人に「正月帰省」という社会通念があり、子は「自身の役割」と帰省してきましたが、コロナ禍により「帰省しない=楽」だと気付きました。交通費や土産代もかからない。結果、再びの帰省となるとブルーな気持ちに…。

しかし、親の側も変化しています。「面倒」を体験済(「子」として)で、「女性は家庭」とは考えない人も増えつつあります。ゆっくり社会通念も変化していくでしょう。

ここから何年か先に、その親に介護が必要になると、「同居?」という選択肢がちらつき始めます。けれども、正月帰省でさえブルーだとすれば「同居」は困難。「遠距離介護/施設介護」を選ぶケースも多いです。

介護・暮らしジャーナリスト

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換場、NPO法人パオッコを立ち上げて子世代支援(~2023)。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第3版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(以上翔泳社)『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門第2版』(共著,KADOKAWA)など。

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