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シニア世代はもちろん、若い世代も気をつけたい「入浴中の事故」#専門家のまとめ

太田差惠子介護・暮らしジャーナリスト
イメージ画像(提供:イメージマート)

 女優で歌手の中山美穂さんの死因が「入浴中に起きた不慮の事故によるもの」と公表されました。深い悲しみを抱きつつ、自身の入浴に対し、不安を感じている人もいるのではないでしょうか。「特に高齢者は注意が必要」との報道を見聞きすることが多く、筆者も、自著などでこれまで何度も注意喚起してきました。けれども、若い世代にとっても他人事ではありません。対策についての記事をまとめてみました。

ココがポイント

入浴中に溺れて亡くなるかたは、交通事故で亡くなるかたより多くなっています。どうしたら入浴中の事故を防げるのか
出典:政府広報オンライン 2024/4/9(火)

失神して、おぼれてしまうのが一番危ない。脳や心臓に既往症がないからといって『自分は大丈夫』とは、どうか思わないでください
出典:毎日新聞 2024/12/7(土)

追い炊きを行っている場合、お湯の温度はどんどん高くなり続けます。熱中症のような状態になり、さらに体の力が入らない状態に
出典:Yahoo!ニュース エキスパート市川衛 2021/11/26(金)

4割の方が「ヒートショック予備軍」として危険な入浴法 (中略) 年代別では20代の半数が予備軍でした。若い方もヒートショックに警戒が必要
出典:リンナイ熱と暮らし通信 2024/11/20(水)

エキスパートの補足・見解

 浴室での事故は高齢の方に多いのですが、若い世代も気を抜いてはいけないことがわかります。

 入浴する際には、「家族に声をかけてから」とよく言いますが、世帯構成の中で今や単身世帯が最も多くなっており、それはなかなか難しい。シニアの方から「緊急通報ボタンを脱衣室に置いて入浴する」という声を聞くことがありますが(完全防水ではないため)、そのときボタンのところまでいけるかはわかりません。完璧な対策はありませんが、それでも、誰しも「自分にも起こりうる」と意識して入浴することが必要そうです。

 高齢の方には、浴室暖房や手すりの設置を提案していますが、できればどの年代の方も検討を。浴槽に後付けできる手すりも販売されています。

 また、4つ目にリンクした「リンナイ熱と暮らし通信」にヒートショック診断テストが掲載されています。その1つに、「顔にじんわりと汗をかいてきたら、湯船から出るサインです。湯船に浸かりすぎてのぼせないようにしましょう。長風呂して汗をかき続けても、デトックス効果は期待できません」とあります。このアドバイスも、頭の隅に置いておきましょう。

 本格的な冬がやってきます。十分気をつけて、入浴を楽しみたいものです。

介護・暮らしジャーナリスト

京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。「遠距離介護」「高齢者住宅」「仕事と介護の両立」などの情報を発信。AFP(日本FP協会)の資格も持ち「介護とお金」にも詳しい。一方、1996年遠距離介護の情報交換場、NPO法人パオッコを立ち上げて子世代支援(~2023)。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第3版』『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(以上翔泳社)『遠距離介護で自滅しない選択』(日本経済新聞出版)『知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門第2版』(共著,KADOKAWA)など。

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